誤嚥性肺炎とは、食物や唾液、胃内容物などが誤って気道へ入り込む(誤嚥する)ことで発症する肺炎です。特に高齢者では加齢による嚥下機能や咳反射の低下により発症しやすく、老年看護の実習でもよく遭遇する疾患の一つです。
本来、食べ物や唾液が気道へ入った場合は咳反射によって排出されます。しかし高齢者では嚥下反射や咳反射が低下しているため、誤嚥した細菌を含む唾液や食物残渣が肺へ入り込み、肺炎を引き起こします。また、脳梗塞後遺症や認知症、パーキンソン病などの神経疾患がある場合は、さらに誤嚥のリスクが高まります。
主なリスク因子には以下があります。
- 加齢
- 脳血管疾患
- 認知症
- パーキンソン病
- 口腔内の衛生状態不良
- 寝たきりや活動量低下
- 低栄養
- 胃食道逆流
- 鎮静薬・睡眠薬の使用
症状としては発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難などがみられますが、高齢者では典型的な症状が出現しにくく、食欲低下や活動性低下、意識レベルの変化のみで発見されることもあります。
診断には胸部X線検査やCT検査、血液検査などが用いられます。治療は抗菌薬投与が中心ですが、誤嚥を繰り返さないための嚥下機能評価や口腔ケア、食事形態の調整も重要です。また、再発予防のためには栄養状態の改善やリハビリテーションを継続していく必要があります。
誤嚥性肺炎は再発を繰り返しやすいため、急性期の治療だけでなく、退院後の生活を見据えた支援が看護の重要な視点となります。

