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関連図の書き方 肝臓がん

疾患別で関連図の書き方をご紹介しています。今回は肝臓がんの関連図です。関連図の書き方のほか、関連図のダウンロードもできますので、どんどん参考にして実習を乗り切りましょう。

肝臓がんとは?(病態)

肝臓がんとは、肝臓の細胞が癌になってしまう病気で主に2種類に分類されます。

原発性肝がん

一つ目は、肝臓が直接癌に侵される原発性肝がんです。これは名前の通り肝臓から癌化してしまいます。​

転移性肝がん

二つ目は、他臓器から転移して起こる転移性肝がんです。これは、肺がんや大腸がんなど肝臓以外で発生した癌が血流にのって肝臓へ転移し起こります。​

肝臓がんの原因

肝臓がんは、B型肝炎やC型肝炎ウイルスに感染している人が肝硬変へと移行し、肝臓がんに至るケースがほとんどです。その他にも、アルコールや肥満などが原因で起こることもあります。検査などをきっかけに肝炎に罹患していると発覚したら、症状があらわれていなくても早めに医療機関を受診することが重要です。

肝臓がんの症状

肝臓がんは、主に食欲不振や倦怠感、浮腫になります。肝臓は「沈黙の臓器」といわれるほど、自覚症状に乏しい臓器です。

血液検査などをきっかけに見つかるケースもありますが、採血上肝臓の機能を表す数値もあがっており、上記に示したような症状が出現していた場合にはほとんどが肝臓がんに移行していることが多いです。さらに進行すると、腹部の圧迫感や痛み、腹水などを伴ってきます。

肝臓がんの診断

肝臓がんの診断には、血液検査をはじめエコー検査やCT検査、MRI検査をもとに診断されます。画像検査のみでは、良性か悪性かまでは判断できないため、肝臓の腫瘍に直接針を刺して細胞を採取する肝生検を行います。現在のステージ分類が確定したら、治療内容が決定していきます。

患者の情報(事例)

以下の事例をもとに、肝臓がん患者の看護問題、書き方のポイントを説明していきます。

基本情報 Y氏 65歳 男性
現病歴 数ヵ月前より右上腹部の断続的な不快感を主訴に受診され、現在化学療法中。食欲不振や体重減少、倦怠感、黄疸があらわれている。疼痛も徐々に強くなっており、鎮痛薬を使用していたが疼痛コントロールが不十分のため麻薬開始となった。時折、吐気・嘔吐があるため制吐薬を使用している。
既往歴 C型肝炎ウイルス、高血圧
生活歴 最低限の食事と水分摂取は可能。清潔ケアも最低限のみ実施。
家族歴 独身で身寄りは遠方のみ。現在は連絡もとっていない。
認知機能 内服薬の残数にバラつきがある。
栄養状態 食事があまりとれていない。やせ型。水分はかろうじて飲めていた。
運動機能 ほとんど寝たきりの状態。筋力低下あり。足をひきずったような歩き方をしている。ふらつきなし。
ADLの状態
摂食 自力にて食事摂取可能であるが、食事がなかなか進まず時々介助している。
更衣・整容 身だしなみに無頓着であり、髭は伸ばしたままの状態。口腔内も汚れており、自ら実施されないため声掛けが必要。
入浴・清潔 促しにて入浴される。自主的にはなし。
排泄 尿意や便意あり、失禁なし。
皮膚の状態 掻痒感があり、リンデロン軟膏を塗布している。その他はヘパリン軟膏にて保湿している。

看護問題(看護診断)

肝臓がんの看護問題には以下が挙げられます。

  • ・麻薬使用に伴う副作用出現リスク
  • ・化学療法に伴う副作用出現の可能性がある
  • ・セルフケア不足
  • ・転倒転落リスク状態
  • ・褥瘡リスク状態

患者さまによって必要となる看護診断も異なるため、その人にあった看護問題を立てるようにしましょう。今回の事例での看護診断を挙げていきます。

麻薬使用に伴う副作用出現リスク

肝臓がんであり、鎮痛薬では疼痛緩和が図れなくなってきたため、麻薬導入となっています。麻薬を使用するにあたり、副作用の出現がないか観察していく必要があります。麻薬を導入する場合は、導入後どの程度疼痛が緩和されているか定期的に疼痛評価を行い、適切な量が投与されているか評価していくことが重要です。

化学療法に伴う副作用出現の可能性がある

化学療法を行っており、副作用が出現していないか、既存の症状が増強していないかなど観察していく必要があります。排便は定期的に出ているか、皮膚のトラブルはあらわれていないか観察していくことも重要です。

セルフケア不足

退職後から無気力で何事にも意欲を示さないため、促しにより清潔を保っていく必要があります。事前に1日のスケジュールを伝えておくことで本人にも心構えをする時間ができ、スムーズに清潔ケアや整容に取り組めます。自ら進んで行動できるように促していくことが必要です。

転倒転落リスク状態

倦怠感や活力の低下からベッド上で過ごすことが増えており、筋力の低下があります。足をひきずるような歩行状態のため転倒のリスクは高いと考えます。

化学療法を行っており、しびれや知覚障害があらわれた場合はさらに転倒リスクも高くなるため、症状の観察も必要です。本人へどのようなリスクがあるのかを分かりやすく説明し、転倒予防に努めていきます。

書き方のポイント

肝臓がんの関連図の書き方のポイントを紹介します。

Point1 検査データなども踏まえ、体にどんな症状があらわれているのかを考える

肝臓は自覚症状の乏しい臓器です。目で得られる情報と検査データから得られる情報すべてを把握し、あらゆる可能性を考えましょう。

例えば、黄疸のように目で見てわかる症状もあれば、食欲不振や倦怠感など肝臓が原因で起こっていると一目で判断しづらい症状もあります。

その他にも、数値的には重篤化していてもなんともないという人もいれば、そこまで状態が変化していなくても痛みが強かったり、倦怠感があり寝たきり状態となったりしている人もいます。その人の状態で対応も異なるため、あらゆる場を想定しておくようにします。


Point2 患者さまの全体像を把握する

疾病ばかりにとらわれず、患者さまのおかれている立場を考えるようにします。例えば患者さまが社会的にどんな立場にあって、病気によってどんな弊害が生まれるのかを考えます。

また、精神的負担の軽減を図るためにはどんなことがストレスになっているのかなど、個別性のある内容を出していくと患者さまがみえてきます。

肝臓がんの関連図をみてみよう

関連図の書き方は分かりましたか?一から自分で書いてみるよりも、肝臓がんの関連図をダウンロードして参考にしながら書いてみると、理解が早まります。​

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