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関連図の書き方 肺炎

疾患別で関連図の書き方をご紹介しています。今回は肺炎の関連図です。関連図の書き方のほか、関連図のダウンロードもできますので、どんどん参考にして実習を乗り切りましょう。

肺炎とは?(病態)

肺炎とは、細菌やウイルスが原因で肺の中に炎症がおこる急性呼吸器感染症で、肺胞に炎症がおこります。

肺炎の症状

肺胞はガス交換を行っており、酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する役割です。細菌やウイルスが原因で肺炎がおこると肺胞が障害されるため、呼吸困難感や息切れがあらわれます。発熱や咳辣、喀痰や胸の痛みなどもあらわれ、重症化すると「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった喘鳴症状もみられるようになります。

高齢者の場合、呼吸器症状ではなく食欲低下や意欲低下を主訴に来院されることも多く、早期に肺炎と診断しづらいケースもあるため注意が必要です。

肺炎の診断

肺炎の診断には、レントゲン検査やCT検査、採血検査が行われます。肺炎は重症化すると酸素投与が必要となったり急変リスクが高くなったりするため、全身状態の観察が重要です。

肺炎の治療

主な治療は、抗生剤投与で感染の原因となっている細菌やウイルスの除去です。肺炎の予防には、肺炎球菌ワクチンの接種や日頃から手洗い、うがい、マスクの着用を行い、風邪をひかないように対策しましょう。喫煙されている人やCOPDを患っている人は、さらに肺炎のリスクや重症化するリスクが高いため予防が重要になってきます。

患者の情報(事例)

この事例をもとに、看護問題、書き方のポイントを説明していきます。

基本情報 T氏 70代 男性
現病歴 1週間前から発熱、咳辣、喀痰あり。3日前より呼吸困難感が出現し、当院受診。肺炎の診断にて入院となる。
既往歴 COPD、高血圧
生活歴 足の悪い妻と2人暮らしのため、なんでも自分でしてきた。妻の様子が気がかり。
家族歴 高齢の妻と2人暮らし。遠方に長男がおりサポートはあるが頻繁には来られない。
認知機能 もともとしっかりしているが、高熱の影響かぼんやりしている。
栄養状態 1週間前から食事はほとんどとれておらず、水分も1日に数口程度のみ。
運動機能 既往にCOPDはあるものの、日常生活動作は自立していた。足の悪い妻にかわって家のこともやっていた。
ADLの状態
摂食 現在絶食中。もともと自立。水分も自身ではほとんど摂取されない。
更衣・整容 高熱にて倦怠感が強く、介助が必要。軽介助で可能。
入浴・清潔 全介助にて実施。解熱するまでは清拭にて対応中。
排泄 なんとか自立して行えている。
皮膚の状態 乾燥しており皮膚脆弱。皮膚トラブルはなし。
服薬 もともと高血圧もあり内服しているが、妻が声掛けをしていた。病識がなく、自己管理は困難。入院中は看護師にて管理している。

看護問題(看護診断)

肺炎患者の看護診断は、代表的なものとして以下が挙げられます。

  • ・非効果的気道浄化
  • ・高熱に伴う体力消耗リスク状態
  • ・急性混乱
  • ・セルフケア不足
  • ・離院リスク
  • ・転倒リスク状態
  • ・皮膚統合性障害
  • ・便秘
  • ・脱水

非効果的気道浄化

肺炎にて自己喀痰が難しい状況下のため、適宜吸引が必要です。また、絶食中であり酸素投与もしているため、口腔内乾燥や汚染のリスクが高く、口腔内保清も必要になります。

高熱に伴う体力消耗リスク状態

肺炎に伴い発熱が持続しているため、倦怠感や意欲の低下がみられています。ベッド臥床時間も増え、体力の消耗が進んでいくため、解熱コントロールにて苦痛の緩和を図っていく必要があります。

急性混乱

高齢であり、病院という環境の変化から、せん妄リスクがあります。さらに高熱がでていることによりぼんやりしているため、不穏のリスクが高くなります。高熱のため、転倒リスクも高く、注意して観察していく必要があります。

セルフケア不足

入院前より発熱や咳辣、喀痰の症状がみられていたため清潔ケアが行えておらずセルフケア不足が考えられます。現在も発熱が続いており、絶食中のため意欲の低下もあります。解熱傾向となり活気が出てくるまでは、全介助にて実施していく必要があります。

食事もとっておらず、加齢に伴い口腔内の汚染、細菌繁殖が予測されるため口腔内保清を行い、肺炎の再燃や増悪を防いでいくことも重要です。

書き方のポイント

気管支喘息の関連図の書き方のポイントを説明します。

Point1 肺炎によってどんな症状があらわれているかを把握する

肺炎でも、「酸素投与が必要な人とそうでない人」「痰の量が多く吸引を要する人と痰があまりでない人」「呼吸困難感や息苦しさがある人とない人」など症状はさまざまです。

高齢になると体がその状態に慣れてしまい、自覚症状として訴えられない人もいます。どのような症状があらわれているのかを把握すると、今必要なケアにつながっていきます。


Point2 症状や検査データをもとに個別性のある関連図にする

フィジカルアセスメントや検査データをもとにアセスメントしていくことで、より個別性のある関連図へと近づきます。病態によって予測される主な症状と日々観察した内容を比較し、今後予測されることを書き出していくと観察内容が広がります。

肺炎の関連図をみてみよう

関連図の書き方は分かりましたか?一から自分で書いてみるよりも、肺炎の関連図をダウンロードして参考にしながら書いてみると、理解が早まります。​

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