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関連図の書き方 心筋梗塞(PTCA後)

疾患別で関連図の書き方をご紹介しています。今回は心筋梗塞の関連図です。関連図の書き方のほか、関連図のダウンロードもできますので、どんどん参考にして実習を乗り切りましょう。

心筋梗塞とは?(病態)

心筋梗塞とは、主に心臓の栄養血管である冠動脈の動脈硬化が原因で起こる虚血性心疾患です。

血管壁の内側に入り込んだLDLコレステロールを退治するため、免疫細胞やその他の細胞が血管壁に入りアテローム(粥腫)を形成します。アテロームが増殖して隆起した病変がプラークです。
プラークの破綻やびらんの発生により血栓が形成され、冠動脈内腔が急速に狭窄・閉塞し、心筋が虚血・壊死に至ります。心筋が壊死すると全身に血液を送ることができず死に至るため、一刻も早い処置が必要です。

動脈硬化以外に、冠動脈の攣縮、冠動脈の血管炎、上行大動脈解離、心原性塞栓症が原因の場合もあります。

壊死した心筋の範囲により、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)とST上昇型心筋梗塞(STEMI)に分類されます。NSTEMIは、心内膜下の壊死にとどまり、STEMIは心筋全層の壊死を来たした状態で、STEMIのほうが緊急性が高いです。

患者の情報(事例)

心筋梗塞患者の関連図を書く上での、事例を挙げてみます。​
この情報に従って、心筋梗塞の関連図の書き方を説明していきます。

基本情報 U氏 74歳 女性
現病歴 12月1日21時頃、入浴後に突然胸痛が出現し動けなくなった。夫が救急車を呼び、搬送。搬送後、12誘導心電図にてST上昇、採血結果からも心筋梗塞の診断でPTCAが施行された。現在PTCAが終了し病室に戻って1時間。
今年9月の健康診断でLDLコレステロールは180mg/dl。血圧は173/111㎜Hgだった。夫の話では、健康診断結果を見ても「自覚症状はないから大丈夫。」と言い、病院には行っていない。食事は「おいしく食べたいから」と言って好きなものを食べていた。​
生活歴 主婦
家族歴 夫と二人暮らし キーパーソンは夫
認知機能 低下なし。現在やや多弁。
運動機能 腰椎椎間板ヘルニアの既往あり。日常生活に支障はないが、ときどき腰痛がある。
ADLの状態

もともとADLは自立。

安静度 心筋梗塞後なので、症状が改善し、CKがピークアウトしてから心臓リハビリテーションを行なう。
食事 心筋梗塞後なので、 CKがピークアウトしてから確認する。
排泄 離床するまではベッド上での排泄となる。
皮膚の状態 入院時は皮膚トラブルがなかったが、PTCA終了後に仙骨部に発赤があった。穿刺部の止血用枕子を触る様子あり。
服薬 今まで病院に行っていなかったので内服薬はなし。今後は内服をしなければならない。

看護問題(看護診断)

心筋梗塞患者の看護診断は、代表的なものとして以下が挙げられます。

  • ・心拍出量の減少
  • ・安楽の変調
  • ・混乱・不安
  • ・褥瘡のリスク
  • ・出血のリスク
  • ・セルフケア不足
  • ・非効果的自己健康管理

その患者さまの病状や症状によって変わってきますので、その方に合わせた看護診断を作成してください。
今回の事例での看護診断を挙げていきます。

心拍出量の減少

心筋梗塞後なので不整脈や心不全、心破裂を起こす可能性があります。また低血圧や心原性ショックにも注意が必要です。PTCA後なので、バルーン拡張術のみの場合には急性冠動脈閉塞の危険性があるので注意が必要です。

安楽の変調​

点滴や心電図モニターの装着、膀胱留置カテーテルの挿入など身体的に不快を感じやすい状態です。枕子を触ることからかゆみや痛みがある可能性もあります。既往歴に腰椎椎間板ヘルニアがあることから腰痛を訴えることも考えられます。

混乱・不安

患者は74歳と高齢であり、せん妄を起こす可能性があります。多弁というのも気になります。

褥瘡のリスク状態

PTCA中に仙骨部に発赤があり、術後の安静時間も同一体位だと褥瘡発生のリスクがあります。

書き方のポイント

心筋梗塞患者の関連図の書き方のポイントを説明します。

Point1 心筋梗塞の病態・治療過程を把握する

心筋梗塞は血栓溶解療法、PTCA、冠動脈バイパス手術などの治療法があります。患者さまの状態となぜその治療法が選ばれたのかをきちんと把握しましょう。また、治療による合併症を知っておくのもポイントです。
この患者さまの場合はPTCAを実施しました。急性冠動脈閉鎖などの疾患からくる合併症を起こすリスクがあります。他にも、造影剤による腎機能障害や、安静による褥瘡のリスクなどもあります。患者さまの全身を広い視野で見てみましょう。「疾患による問題」「身体的な問題」「精神的な問題」「セルフケア不足」「治療による問題」とグループ分けして考えると分かりやすいです。


Point2 「今」この患者さまに必要なことを追求する

心筋梗塞の治療経過は、急性期からリハビリ期、退院時期という流れがあります。急性期からリハビリ期は、循環動態が不安定で主に疾患や治療からくる問題が優先です。退院が近づくと、今までの生活習慣を見直し、教育的な内容と本人の治療への意欲にかかわる問題が優先になります。
この患者さまは、現在PTCA後1時間です。安静によるセルフケア不足、安楽の変調、不安などの問題も出てきます。その時の状況に焦点を当てて問題を見ていきましょう。

心筋梗塞の関連図をみてみよう

関連図の書き方は分かりましたか?一から自分で書いてみるよりも、心筋梗塞の関連図をダウンロードして参考にしながら書いてみると、理解が早まります。​

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