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関連図の書き方 気管支喘息(小児看護)

疾患別で関連図の書き方をご紹介しています。今回は気管支喘息(小児看護)の関連図です。関連図の書き方のほか、関連図のダウンロードもできますので、どんどん参考にして実習を乗り切りましょう。

気管支喘息とは?(病態)

気管支喘息とは、空気の通り道である気管支が慢性的に炎症を繰り返すことで狭くなり、呼吸時にヒューヒューやゼーゼーといった異常音が発生する喘鳴や、呼吸困難などの発作が生じる病気です。

気管支喘息の原因

アレルゲン

主なアレルゲンは、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛やフケ、カビ、花粉などです。血液検査や皮膚検査で調べることが可能です。

感染症

風邪やインフルエンザなどのウイルス感染によって気道が炎症し、喘息発作を起こすことがあります。風邪が治ってから咳が続く咳喘息を放置していると、気道の過敏性が増し、炎症が悪化するため気管支喘息に移行する場合があります。

大気汚染

PM2.5や黄砂、排気ガスなどの大気汚染物質は体内に入るとアレルギー反応を引き起こし、喘息発作を誘発します。

たばこの煙

たばこには数千種類の化学物質が含まれており、自身が喫煙者ではなくても、副流煙による受動喫煙が発作や症状の憎悪の要因になります。線香や花火の煙などでも発作を起こす可能性があります。

運動

運動をすると呼吸が速くなり、乾燥した冷たい空気が気道に入るため、それが刺激となって喘息を誘発する場合があります。空気が乾燥して冷たい冬期は特に発作が起きやすいです。

気象条件

気温・湿度の変化が大きい季節の変わり目や、台風での低気圧などが発作を起こす誘因になります。

ストレス

過労や睡眠不足など、身体的なストレスや心理的なストレスも喘息発作に影響します。

気管支喘息の分類

気管支喘息は、重症度によって4つに分類されます。

気管支喘息の分類表

間欠型

症状の出現が週1回未満で、日常生活に大きな影響がない状態です。症状が出現しても救急薬のみで治まり、持続しない状態です。

軽度持続型

軽い症状が週1回以上出現するが毎日ではなく、症状の持続は短い状態です。月1回以上、日常生活や睡眠に影響が出ます。

中等度持続型

軽い症状が毎日生じ、ときに中・大発作となる状態です。週1回以上、日常生活や睡眠に影響を及ぼします。

重症持続型

毎日症状が出現し、週1、2回は大きな発作があり日常生活に制限がある状態です。

患者の情報(事例)

以下の事例をもとに、気管支喘息患者の看護問題、書き方のポイントを説明していきます。

基本情報 T氏 4歳 女児 年中
診断名 2歳6ヶ月のとき初発作、気管支喘息と診断される。3歳2ヶ月のときに喘息発作で5日間入院。今回が6回目の入院。
アレルゲン IgE反応はネコのフケ5、ハムスター4、ダニ4、ハウスダスト4
生活歴 幼稚園に通っている。2年前からハムスターを飼育。2ヶ月前からバレエを習い始めた。
家族歴

父、36歳、会社員、喘息既往なし、喫煙者。喘息の知識はある。室内では喫煙していないので、禁煙するつもりはないと話す。

母、キーパーソン、37歳、パート勤務、喘息既往なし。付き添い入院をしている。外来通院中の説明に対して「大丈夫です、わかっています。」という反応。自宅の掃除はこまめにしていると話す。

兄、7歳、小学2年生。3歳から年に1~2回喘息発作。母親が付き添い入院をしており、父に「寂しい。」との発言あり。

普段の食習慣(間食) チョコレート、キャンディーなどを好む。清涼飲料水、炭酸飲料水を500ml/日ほど摂取する。
現在までの家庭での治療 テオドール錠 1日2回、朝夕内服/オノンドライシロップ 1日2回、朝夕内服/フルタイド吸入 1日2回、朝夕吸入。
現在の症状 呼気時の喘鳴、鼻翼呼吸、頸部・季肋部の陥没呼吸、肩呼吸などの努力呼吸あり。呼吸数40回/分、心拍数115回/分、体温37.6℃、酸素飽和度92%。
療養生活 トイレ洗面以外はベッド上安静の指示。本人は「早く家に帰りたい。病院は嫌だ。」と訴える。ベッド周囲に食べ物のカスが散乱。リネン類の汚れや乱れが目立つ。食事摂取量は2割ほど。
現在の治療 ソルメドロール静注4回/日、メプチン吸入3回/日、酸素カニューレ2L送気、ソルデム3A持続点滴40ml/h。

看護問題(看護診断)

気管支喘息の看護診断は、代表的なものとして以下が挙げられます。

  • ・喘息発作による呼吸困難感
  • ・再発予防のセルフケア問題
  • ・多量の発汗や喀痰による脱水のリスク
  • ・入院や活動制限によるストレス
  • ・ステロイド投与による副作用出現のリスク

患者さまの病状や症状によって変わってきますので、その方に合わせた看護診断を作成してください。今回の事例での看護診断を挙げていきます。

喘息発作による呼吸困難感

この事例の場合、喘息発作による喘鳴や努力呼吸の症状が見られ、一番の問題は呼吸困難感による苦痛になります。呼吸状態を改善させ、苦痛を取り除く援助が重要です。

再発予防のセルフケア不足

喘息発作を繰り返している原因を把握し、再発予防に対するケアをする必要があります。小児看護においては、家族のサポートが不可欠であり、本人を含めた家族全体を支援する必要があります。

脱水のリスク

多呼吸による発汗や、喘息発作により十分な食事が摂れておらず、脱水リスクが高い状態です。乳幼児期は、体に占める水分の割合が高く、体重あたりの不感蒸泄のため、より適切な水分管理が必要になります。

入院生活による本人・家族ストレス

幼児期は遊びを通して社会性を発達させます。しかし入院生活では、行動が制限されるだけでなく、慣れない環境での不安や緊張などの精神的苦痛や、治療・処置による身体的苦痛も大きいため、ストレス緩和に対するケアが必要です。付き添い家族やきょうだい児のストレス状態の把握も重要となります。

書き方のポイント

気管支喘息の関連図の書き方のポイントを説明します。

Point1 喘息発作出現の原因を把握する

喘息の発作は、ウイルス感染などによる風邪、運動、アレルゲン、気温や気圧の変化、タバコや大気汚染など、さまざまな刺激が原因となって起こります。原因を把握することが発作の予防につながります。本人や家族の生活習慣や家庭環境の状況を把握し、原因を特定することが重要です。

例えば、アレルゲンとの接触の有無や、家庭内における喫煙者の有無、運動習慣や環境変化の有無などを把握することで、再発予防へのアプローチが変わっていきます。


Point2 疾患の理解度や、薬剤の使用方法の理解度を把握する

本人の疾患の理解はもちろん、小児の場合では家族の疾患の理解度も重要になります。小児の発達段階や家族の理解度に合わせた指導など、個別性のある関連図を作成することがポイントになります。

例えば、同じ小児でも乳児は症状を言葉で訴えられませんが、幼児であれば「苦しい」などと症状を伝えることができ、簡単な言葉で説明すれば、ある程度は疾患の理解も可能な場合があります。発達段階に合わせた関連図を書いてみましょう。

気管支喘息の関連図をみてみよう

関連図の書き方は分かりましたか?一から自分で書いてみるよりも、気管支喘息の関連図をダウンロードして参考にしながら書いてみると、理解が早まります。​

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