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関連図の書き方 産褥期

疾患別で関連図の書き方をご紹介しています。今回は産褥期の関連図です。関連図の書き方のほか、産褥期の関連図もダウンロードできますので、どんどん参考にして実習を乗り切りましょう。

産褥期とは?(病態)

産褥期とは、分娩後から約6〜8週間の期間を指し、妊娠・分娩により変化した母体が、徐々に妊娠前の状態へと回復していく重要な時期です。

この期間、身体的には子宮の復古、悪露の排出、乳汁分泌の開始など、さまざまな生理的変化がみられます。特に子宮は、分娩直後に約1,000gあった大きさから、産褥6週ごろには元の大きさである約60g程度まで縮小します。また、悪露は産後直後は赤色で、その後褐色→黄色→白色へと変化しながら排出されていきます。

悪露の変化

さらに産褥期は、単なる身体の回復期間ではなく、母親としての役割獲得や心理的な適応が求められる大切な移行期でもあります。初めての育児に戸惑いながらも母性が育まれ、赤ちゃんとの愛着形成や育児への自信が芽生えていく時期です。

一方で、睡眠不足や授乳の困難、身体的不調などから不安や抑うつ傾向が現れることもあり、産後うつのリスクにも注意が必要です。

したがって産褥期には、身体的ケアだけでなく、心理的・社会的側面への支援も不可欠です。母親が安心して育児に向き合えるよう、看護師はその回復過程を多角的に捉えた関わりを行う必要があります。

患者の情報(事例)

産褥期患者の関連図を書く上での事例を挙げてみます。この事例をもとに、看護問題、書き方のポイントを説明していきます。

基本情報 A氏 31歳 女性 初産 産褥2日目
家族構成・生活背景 会社員の夫と2人暮らし。待ち望んだ妊娠である。両家ともに近隣在住で初孫を心待ちにしており、サポート環境は良好。母親学級は夫婦で4回すべて受講している。産休・育休を取得中。
分娩経過 妊娠・分娩経過、児の発育ともに異常なし。妊娠38週5日に経膣分娩で女児を出産。分娩時間は12時間15分、分娩時出血量は300gであった。夫が立ち会い、本人の希望通りの出産となり、分娩後は「夫がいてくれて良かった」と笑顔がみられた。
心理・育児適応 出産直後は満足感があり、笑顔やポジティブな発言が見られる。母乳育児に意欲的で、分娩2時間後に初回授乳を実施している。その際には、「産んで良かった。とってもかわいい、女の子で良かった」と話した。産褥1日目より母子同室を開始、児の扱いは不慣れではあるが、視線を合わせたり話しかけながら育児行動を行えており意欲的に頻回授乳も実施している。
現在の課題 乳汁分泌がまだなく、抱き方や授乳がうまくいかないことに不安がある。「うまく抱っこができずなかなか吸い付いてくれない。時間がかかる」と話し、授乳への戸惑いを表出している。​

看護問題(看護診断)

産褥期における代表的な看護問題は、以下の通りです。患者さまの症状や背景によって適切に選択し、個別性を意識した看護診断を行いましょう。

  • ・母乳育児に対する不安​
  • ・育児技術の未習熟による疲労や戸惑い​
  • ・育児役割への移行期における支援の必要性​

今回の事例での看護診断を挙げていきます。

母乳育児に対する不安

授乳技術の未習熟や乳汁分泌の遅れにより、授乳が思うように進まず、不安や戸惑いを抱いています。母乳育児への意欲はあるものの、授乳に時間がかかることやうまく吸啜できないことがストレスとなっており、精神的サポートと適切な指導が必要です。​

育児技術の未習熟による疲労や戸惑い

初産であり育児経験が乏しいため、児の抱き方や排泄ケアなどに不慣れであり、思うようにできないことから戸惑いや自信のなさが見られます。慣れない育児行動に伴う身体的疲労も蓄積しており、適切な技術指導と休息確保、肯定的な声かけが必要です。​

育児役割への移行期における支援の必要性

出産後は女性が母親としての新たな役割を獲得していく移行期にあり、心理的・身体的変化への適応が求められます。A氏は育児に前向きな姿勢を示しているものの、戸惑いや不安も見られるため、育児役割の形成を促進する継続的な支援と家族の協力体制が重要です。

書き方のポイント

産褥期の関連図の書き方のポイントを説明します。

Point1 身体的側面の整理

産褥期の関連図を作成する際は、まず妊娠・分娩の経過を簡潔にまとめ、現在の身体的状態を明確にすることが重要です。具体的には、子宮復古の進行状況、乳汁分泌の有無、会陰部の創傷や痛み、悪露の状態など、産褥初期に起こりやすい変化に注目して情報を整理します。


Point2 心理的・育児面の把握​

母親としての役割を獲得していく過程における心理的変化や、育児への思い・適応状況を把握します。育児技術の習得状況や不安の有無、赤ちゃんとの関わり方、授乳やおむつ交換などの育児行動の観察から、心理・育児面の状態を可視化します。​


Point3 家族・社会的支援の整理​

夫や両親との関係性、家庭内の支援体制の有無、地域資源や医療機関とのつながりなど、社会的支援環境にも目を向けましょう。誰が支えになっているのか、どこにサポートが不足しているかを関連図に示すことで、周囲の影響力も含めた全体像が明確になります。


Point4 看護介入につなげる視点

整理した情報から、身体・心理・育児・社会支援それぞれにおける問題点を明確にし、どの部分に支援が必要かを把握します。これにより、看護介入の優先順位が明らかになり、個別性のある看護計画の立案につなげることができます。

産褥期の関連図をみてみよう

関連図の書き方は分かりましたか?一から自分で書いてみるよりも、産褥期の関連図をダウンロードして参考にしながら書いてみると、理解が早まります。​

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