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基礎看護学実習Ⅱの学びレポートの書き方

看護実習
公開日

基礎看護学実習Ⅱでは、受け持ち患者さまとの関わりを通して、看護に必要な情報収集やアセスメント、看護診断、看護計画の立案、援助の実施・評価などを学びます。

実習後にレポートを書く際は、実習中に経験したことを並べるだけではなく、「なぜその援助が必要だったのか」「患者さまはどのような反応を示したのか」「そこから何を学んだのか」を振り返ることが大切です。この記事では、基礎看護学実習Ⅱで学ぶ内容やレポートのポイント、テーマ例、基本的な構成について解説します。

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基礎看護学実習Ⅱとは?

基礎看護学実習Ⅱは、基礎看護学で学んだ知識・技術を、実際の患者さまへの看護に結びつけて学ぶ実習です。
実習の名称や時期、実習期間、受け持ち患者さまへの関わり方などは学校によって異なります。そのため、ここでは一般的な基礎看護学実習Ⅱで経験する内容を紹介します。

患者さまを多面的に理解する

実習では、受け持ち患者さまについて、身体的側面だけでなく、心理的・社会的側面も含めて理解することが求められます。
例えば、疾患や治療内容、症状だけを見るのではなく、患者さまがどのような生活を送ってきたのか、現在どのような不安や思いを抱えているのか、退院後にどのような生活を望んでいるのかなどにも目を向けます。得られた情報をもとに患者さまの全体像を捉えることで、その人に必要な看護を考えられるようになります。

情報収集・アセスメントから看護を考える

患者さまから直接話を聞いたり、カルテや検査データを確認したり、看護師から情報を得たりしながら、患者さまの身体面だけでなく、心理面や社会面も含めて必要な情報を収集します。

収集した情報を一つひとつ並べるだけではなく、情報同士を関連づけ、「現在どのような状態なのか」「なぜその状態になっているのか」「今後どのようなことが予測されるのか」を考えることが重要です。これをアセスメントといい、患者さまの全体像を捉え、必要な看護を考えるための重要な過程です。アセスメントをもとに、患者さまが抱えている看護上の問題や必要な支援を明確にし、必要に応じて看護診断を行います。その後、患者さまの状態や個別性を踏まえて看護目標を設定し、具体的な看護計画を立案します。

個別性に合わせた援助を実践する

患者さまの状態や生活背景を踏まえ、必要な看護援助を考えます。清潔援助、食事、排泄、活動・休息などの日常生活援助を行う場合も、全員に同じ方法で実施するのではなく、患者さまの疾患や身体機能、生活習慣、希望などを考慮して方法を検討します。
実施後は患者さまの反応や状態の変化を確認し、援助が適切だったかを評価します。

基礎看護学実習Ⅰとの違い

基礎看護学実習Ⅰでは、医療施設や看護師の役割を知り、患者さまとのコミュニケーションや基本的な看護援助などを学ぶことが中心となる場合があります。
一方、基礎看護学実習Ⅱでは、受け持ち患者さまの情報を収集し、アセスメントを行い、患者さまに必要な看護を考えて実践するという、より看護過程を意識した学習につながることが特徴です。
ただし、実習の目的や内容は学校によって異なるため、自分の学校の実習目標や要項を確認しておきましょう。

基礎看護学実習Ⅱで学ぶこと

基礎看護学実習Ⅱでは、患者さまとの関わりを通して、看護を考え、実践し、振り返る力を身につけます。
実習の目的や期間、受け持ち患者さまへの関わり方、看護診断の扱いなどは学校によって異なりますが、主な学びには以下のようなものがあります。

  • 患者さまから必要な情報を収集し、身体的・心理的・社会的側面から全体像を理解する
  • 収集した情報を関連づけ、患者さまの状態をアセスメントする
  • アセスメントをもとに、患者さまに必要な看護や看護上の問題を考える
  • 看護診断を用いて看護上の問題を明確にする
  • 患者さまの個別性を踏まえて看護目標や看護計画を立案する
  • 看護計画に沿って援助を実施し、援助前後の患者さまの状態や反応を観察する
  • 実施した援助を評価し、必要に応じて看護計画を見直す
  • 援助前後の患者さまの状態や反応を観察する
  • 安全・安楽・自立に配慮して援助を行う
  • 患者さまとのコミュニケーションを通して信頼関係を形成する
  • 看護学生として、患者さまの尊厳やプライバシーに配慮した倫理的態度を身につける

看護過程の流れを意識すること

特に大切なのは、「情報収集・アセスメント→看護診断→看護計画の立案→援助の実施→評価」という看護過程の流れを意識することです。

まず、患者さまから話を聞いたり、カルテや検査データを確認したりして必要な情報を収集します。
次に、集めた情報を関連づけてアセスメントし、患者さまの状態や看護上の問題を明らかにします。
その後、明らかになった看護上の問題をもとに看護目標や看護計画を立案し、実際に援助を行います。
援助後は、患者さまの反応や状態の変化を確認し、実施した看護を評価します。

レポートを書く際も、この流れに沿って実習中の経験を振り返ると、自分が「どのような情報から患者さまの状態を考え、なぜその援助を行い、その結果から何を学んだのか」が整理しやすくなります。

なお、実習の目的や期間、受け持ち患者さまへの関わり方、実施する看護援助などは、学校によって異なります。そのため、ここでは基礎看護学実習Ⅱで一般的に学ぶ内容を紹介します。実際の実習では、学校の実習要項や目標に沿って学習しましょう。

基礎看護学実習Ⅱのレポートのポイント

基礎看護学実習Ⅱのレポートを書く上で、「経験したこと」「考えたこと」「実践したこと」「そこから得た学び」をつなげることが大切になります。
単に「患者さまに清拭を行った」「患者さまから話を聞いた」と書くだけでは、実習で何を学んだのかが伝わりにくくなります。

患者情報を並べるだけで終わらせない

レポートでは、患者さまの年齢、疾患、症状、治療内容などをすべて書く必要はありません。
自分が考察するテーマに関係する情報を選び、「その情報から何を考えたのか」まで書くことが重要です。
例えば、「患者さまは術後であった」「歩行時にふらつきがあった」と情報を書く場合には、そこから「術後の身体的変化や筋力低下などにより転倒のリスクがあると考えた」など、情報をアセスメントにつなげます。

患者さまの状態と援助の必要性を結びつける

「なぜその援助を行ったのか」を明確にしましょう。
例えば、清拭を行ったのであれば、「清潔保持のために実施した」とだけ書くのではなく、患者さまの状態や訴えを踏まえて、なぜその援助が必要だったのかを考えます。
患者さまの状態→看護上の必要性→実施した援助という流れで整理すると、内容が伝わりやすくなります。

実施した援助の根拠や工夫を書く

援助の方法だけではなく、「なぜその方法を選択したのか」「患者さまに合わせてどのような工夫をしたのか」を振り返ります。
例えば、疼痛がある患者さまに対して、体位変換の際に動作を一つずつ説明しながら行ったのであれば、その理由や患者さまの反応を具体的に記載します。
自分が行った工夫を振り返ることで、個別性のある看護について考えるきっかけになります。

患者さまの反応から援助を評価する

援助を実施したら、それで終わりではありません。患者さまの表情、発言、バイタルサイン、身体状態、行動などを振り返り、援助によってどのような変化があったのかを考えます。
「援助後、患者さまから『楽になった』という発言があった」など、具体的な反応を取り上げると、援助の評価につなげやすくなります。

評価を今後の課題につなげる

実習では、すべての援助が完璧にできるとは限りません。「できなかったこと」だけを課題にするのではなく、なぜできなかったのか、次回はどうすればよいのかまで考えてみましょう。
例えば、「患者さまの反応を十分に観察できなかった」という経験から、「今後は援助前に観察項目を整理し、援助中も患者さまの表情や発言に注意を向けたい」と具体的な課題につなげます。

基礎看護学実習Ⅱのレポートテーマ例

実習レポートのテーマを決めるときは、実習中に印象に残った出来事や、達成できた実習目標、患者さまへの援助から得た学びを振り返ってみましょう。
「一番大変だったこと」だけではなく、「なぜ印象に残ったのか」「その経験から何を学んだのか」を考えると、テーマを決めやすくなります。

学びレポートのテーマ例をみる

看護過程の展開に関するレポート

看護過程を展開する中で、情報収集やアセスメント、看護診断、看護計画の立案・実施・評価について学んだことをテーマにします。

テーマ例

  • 患者さまの全体像を捉えるために必要な視点
  • 情報を関連づけて看護上の問題を考えることの大切さ
  • アセスメントから看護上の問題や看護の方向性を考える難しさ
  • 患者さまの個別性を踏まえた看護計画の立案
  • 看護過程を通して学んだ個別性のある看護

日常生活援助に関するレポート

実際に行った清潔、食事、排泄、移動などの日常生活援助を振り返り、患者さまに合わせた援助について考えます。

テーマ例

  • 患者さまの個別性に合わせた日常生活援助
  • 安全・安楽に配慮した援助の重要性
  • 患者さまの自立を促す援助について
  • 患者さまの状態に合わせて援助方法を工夫する大切さ
  • 援助を通して学んだ患者さまの尊厳を守る看護

患者さまとの関わりに関するレポート

患者さまとのコミュニケーションや関係形成を振り返り、信頼関係を築くために必要な看護師の姿勢について考えます。

テーマ例

  • 患者さまの思いを理解するためのコミュニケーション
  • 傾聴することの大切さ
  • 患者さまとの信頼関係を築くために必要な姿勢
  • 患者さまの言葉や表情から思いを捉えること
  • 関わりを通して学んだ患者中心の看護

構成

レポートを書くときは、まず実習中の出来事を時系列に並べるのではなく、「何を学んだのか」を中心に構成を考えます。基本的には、以下のような流れで整理すると書きやすくなります。

1.実習の学び

最初に、実習を通して最も学んだことや、自分が成長したと感じたことを示します。
「患者さまの個別性に合わせた看護の重要性を学んだ」のように、レポート全体のテーマが伝わる内容にするとよいでしょう。
その後、なぜそのような学びを得たのかを、実際の患者さまとの関わりや援助の経験につなげていきます。

基礎看護学実習Ⅱを通して、患者さまの個別性を踏まえて看護を考えることの重要性を学んだ。実習当初は、患者さまの疾患や症状などの情報を集めることに意識が向いていた。しかし、患者さまとの会話や日常生活の様子を観察する中で、同じ疾患であっても身体機能や生活習慣、思いによって必要な看護は異なることに気づいた。そこで、得られた情報を関連づけながら患者さまの状態をアセスメントし、その人に適した援助方法を考えることを意識した。実際の援助では、患者さまの反応を確認しながら方法を調整することで、患者さまに合わせた看護を実践することができた。この経験から、看護では知識や技術を身につけるだけでなく、患者さまを一人の生活者として捉え、その人にとって何が必要なのかを考えることが大切だと学んだ。

2.関わった患者さまの情報とエピソード

次に、テーマを考察するために必要な患者さまの情報を記載します。
年齢や疾患、治療内容などをすべて記載するのではなく、レポートのテーマに関係する情報を選びましょう。
また、実際に患者さまとどのような関わりがあったのか、具体的なエピソードを記載します。
患者さまの発言や表情、自分がどのように対応したのかなどを具体的に振り返ることで、考察につなげやすくなります。

受け持ち患者さまは、脳梗塞の後遺症により右片麻痺があり、日常生活動作の一部に介助を必要としていた。実習では、患者さまができることは自分で行いたいという思いを大切にしながら、必要な部分のみ介助することを意識した。
ある日、洗面動作の際に患者さまが「自分でできるから大丈夫」と話されたため、すぐに介助するのではなく、患者さまの動作を見守った。しかし、途中で動作が止まり、困った表情をされていた。そこで、「ここはお手伝いしましょうか」と声をかけると、患者さまはうなずかれたため、必要な部分のみ介助した。
この関わりを通して、患者さまの安全を守るだけでなく、患者さま自身の「できることを自分で行いたい」という思いを尊重することも大切であると感じた。

3.実施した看護と効果、考察

実施した援助について、「なぜその援助を行ったのか」「どのような工夫をしたのか」「患者さまはどう反応したのか」を整理します。

例えば、患者さまの状態から必要な援助を考え、実際に援助を行った結果、患者さまにどのような変化があったのかを記載します。

さらに、その経験から「患者さまの個別性を踏まえることが重要だと考えた」など、自分の考えを述べます。単なる感想ではなく、患者さまの状態や看護の根拠と結びつけて考察することがポイントです。

患者さまは右片麻痺があり、洗面動作の際に一部介助を必要としていた。しかし、患者さまには「できることは自分で行いたい」という思いがあったため、すべてを介助するのではなく、自分で行える動作は見守り、難しい部分のみ介助するようにした。また、動作に時間がかかっても急かさず、患者さまのペースに合わせることを意識した。

援助後、患者さまから「自分でできてよかった」と笑顔で話される様子がみられた。このことから、患者さまの残存機能を活かしながら必要な部分のみ援助することは、自分でできたという達成感や自信につながると考えた。
今回の経験を通して、安全に援助することだけを考えるのではなく、患者さまの身体機能や思いを踏まえ、その人ができることを尊重した援助を行うことが重要であると学んだ。患者さまによって必要な援助の方法は異なるため、個別性を考慮して援助を計画・実施することが看護につながると考えた。

4.看護師の役割や看護師から学んだこと

実習中に関わった看護師の姿を振り返ります。
例えば、看護師が患者さまの状態をどのように観察していたのか、どのような声かけをしていたのか、多職種とどのように情報共有していたのかなどに注目します。
自分と看護師の関わり方を比較することで、「自分には何が不足していたのか」「今後どのような看護を実践したいのか」を考えることができます。

実習中、看護師は患者さまのバイタルサインや表情、会話の内容だけでなく、食事摂取量や睡眠、日中の活動状況など、日常生活の様子も継続して観察していた。また、患者さまへの声かけでは、ただ質問するだけではなく、表情や反応を確認しながら会話を進めていた。

私は実習当初、必要な情報を集めることに意識が向き、患者さまのその日の状態だけを見てしまうことがあった。しかし、看護師がこれまでの状態と比較しながら患者さまを観察し、小さな変化にも気づいている姿を見て、継続的に患者さまを観察することの重要性を学んだ。

また、看護師は得られた情報を他の看護師や医療スタッフと共有し、患者さまの状態について共通の認識を持ちながら看護を行っていた。このことから、看護師には患者さまを身近で継続的に観察し、得られた情報を看護につなげるとともに、多職種と連携して患者さまを支える役割があると考えた。

今後は、目の前の症状や一つの情報だけを見るのではなく、これまでの経過や生活背景にも目を向け、患者さまの小さな変化に気づける看護師を目指したい。

5.今後の課題

最後に、実習を通して明らかになった自分の課題を記載します。
「コミュニケーション能力を高めたい」のような抽象的な内容だけではなく、「患者さまの発言だけでなく、表情や行動にも注意を向け、言葉にならない思いを捉えられるようにしたい」など、具体的な行動につなげるとよいでしょう。
また、課題だけで終わらせず、「そのために今後どのように学習・実践していくか」まで考えることが大切です。

今回の実習を通して、患者さまの状態を観察し、得られた情報を看護につなげて考える力が自分の課題であると感じた。実習中は、患者さまの発言やバイタルサインなど、目に見える情報に注目することが多く、表情や行動の変化、その背景にある思いまで十分に捉えられていないことがあった。
今後は、患者さまの言葉だけでなく、表情や声の大きさ、動作、普段との違いにも意識を向け、一つひとつの情報を関連づけて考えるようにしたい。また、疾患や治療に関する知識を深めることで、患者さまの状態をより根拠をもってアセスメントできるようになりたい。
そのために、実習や演習で得た経験を振り返り、分からなかったことや判断に迷ったことをそのままにせず、教科書や文献などを活用して学習する習慣を身につけたい。そして、患者さま一人ひとりの状態や思いを捉え、その人に合った看護を考えられるようになることを今後の目標としたい。

学びレポートの書き方のポイント

経験したことの流れを整理する

基礎看護学実習Ⅱの学びレポートでは、実習中の経験を「事実→考えたこと→実施したこと→結果→学び→今後の課題」という流れで整理すると、文章を組み立てやすくなります。

例えば、患者さまとの関わりについて書く場合、「患者さまと会話をした」という事実だけで終わらせるのではなく、「患者さまがどのような発言をしていたのか」「その発言から自分は何を考えたのか」「その後どのように関わったのか」「患者さまはどのような反応を示したのか」まで具体的に振り返ってみましょう。

経験を根拠に結び付ける

さらに、実習中の経験から「なぜそのような反応がみられたのか」「自分が行った看護にはどのような意味があったのか」などを考え、看護の根拠と結びつけることが大切です。そして、経験から得た学びを今後の看護にどのように活かしていきたいのかまで考えることで、より深みのあるレポートになります。

実習記録を見返して出来事を書き出す

レポートを書く前に、実習記録やメモを見返し、印象に残っている患者さまの言葉や表情、自分の行動、援助後の反応などを書き出してみるのもおすすめです。最初から文章にしようとせず、まずは実習中の出来事を整理してみると、自分が何を学んだのかが見つけやすくなります。

自分の学びを具体的な言葉にする

学びレポートは、実習中に経験したことを振り返り、自分の看護について考える大切な機会です。単なる実習の感想で終わらせず、「なぜそう考えたのか」「なぜその援助を行ったのか」「そこから何を学んだのか」を意識して、自分の学びを具体的に言葉にしてみましょう。

以下の記事では、学びレポートの書き方についてさらに詳しく説明しています。レポートの基本的な書き方やまとめ方を理解して、実習での学びが伝わる充実したレポートを書き上げましょう。

学びレポートの書き方

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