すぐに使える領域別テーマ例!カンファレンステーマの決め方と具体例
「次のカンファレンステーマどうしよう…。」と悩んでいる看護学生のみなさん。
テーマを決める際の視点やどういった内容がテーマになるのか、悩む学生さんも多いと思います。
この記事では、テーマの決め方のポイントと、領域別のテーマ例をご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
実習領域別カンファレンステーマの具体例
早速、各領域の特徴と具体的なテーマ例をみていきましょう。
基礎看護学実習のテーマ例
基礎看護学実習では、看護の対象となる患者さまの個別性を意識した情報を理解し、その患者さまに合った看護を提供するための技術、知識を学びます。
看護実習の第一歩であり、病院の空気感を肌で感じて緊張するかもしれません。
実習指導者の看護を実際に見て感じたことや、実際に患者さまと接する中で生まれた疑問をテーマに選び、積極的に学んでいきましょう。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 患者さまの個別性のある情報収集方法とは
- 看護技術を提供してみて学んだこと、感じたこと
- 患者さまとの信頼関係を作るためのコミュニケーションとは
- ヒヤリハット、インシデント事例から考える対策
- 実際の看護現場を体験してみて
- 患者さまに看護提供を拒否された場合の対応について
成人看護学実習Ⅰのテーマ例(急性期/周手術期)
成人看護学は対象が15〜64歳と幅広いことが特徴です。急性期では、症状が急に増悪することで身体的、精神的苦痛を感じている患者さまが多くいらっしゃるため、苦痛を最小限で過ごすための関わりをテーマに考えてみると良いでしょう。また、手術を前に不安を抱えている患者さまとの有効的な関わり方や術後の生活についてなど、担当患者さまの生活背景にも目を向けてカンファレンステーマを選んでみてください。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 突然の入院となった患者さま、家族への精神的フォローについて
- 手術に対して強い不安を抱えている患者さまへの関わり方とは
- 症状が強い場合に最低限の苦痛で過ごすためには
- 術後合併症の予防について
- 手術後、疼痛コントロールやADL拡大へ不安を感じている患者さまへの対応
成人看護学実習Ⅱのテーマ例(慢性期)
慢性期における患者さまは、長期入院による合併症や廃用症候群の予防が重要になります。病院が生活の場となるため、それぞれの患者さまの生活を支えるための看護ケアをテーマに選んでみましょう。
また、比較的症状が安定している患者さまが多く、患者さまとゆっくりと向き合うことができます。しかし、向き合う時間が長いと「何を話していいのかわからない」などコミュニケーションに悩むこともあるかもしれません。信頼関係を築くためのコミュニケーション方法をテーマにするのもおすすめです。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 長期入院による廃用症候群予防について効果的な看護ケアとは
- コミュニケーションが行き詰まる(無言になる)時の対応について
- 血糖コントロールが不良な糖尿病患者さまへの退院時指導のポイントとは?
- これまでの生活背景から、食事制限を守ることが難しい患者さまへの関わり方とは?
- 長期入院による精神的苦痛を緩和する看護ケアとは
成人看護学実習Ⅲのテーマ例(終末期)
終末期の定義としては、
- 複数の医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断すること
- 患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師等の関係者が納得すること
- 患者・家族・医師・看護師等の関係者が死を予測し対応を考えること
と全日本病院協会によって条件が定められています。
参照:終末期医療に関するガイドラインこの定義からわかることは、終末期看護(ターミナルケア)は患者さま本人のみならず、患者さまを支える関係者が、同じ方向を見て進んでいく必要があるということです。
終末期看護と聞くと、「とても難しそう」「どう関わっていいかわからない」と不安に感じる学生さんもいらっしゃるかもしれません。
ですが、まずは目の前の患者さま、ご家族としっかり向き合い、患者さまやご家族が自分の思いを表出しやすい環境を整えてあげましょう。
大切なことは、患者さま自身が望む最後を選択、決定できるようにサポートしていくことです。カンファレンスを通し、そのためのコミュニケーション方法や、看護ケアを深めていきましょう。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 終末期における疼痛緩和を目的とした個別性のある看護ケアとは
- 終末期にある患者さまとのコミュニケーションを通して感じたこと
- 末梢神経障害によりQOL低下をきたしている患者さまへの看護ケア
- 患者さま本人、家族へ急変時の対応を説明する際のポイント
- 家族の負担を考慮しながら、家族にしかできないサポート方法を考える
- 他職種との協力体制とは
老年看護学実習のテーマ例
老年看護では、残存する身体能力を生かしながら、QOLの維持、向上を目指す看護が必要となります。
また、栄養状態の悪化や長期入院による合併症、弊害も考えられます。それらを予防するためには、どんな関わりが効果的であるかを考えながらテーマを決めてみましょう。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 担当患者さまに合った褥瘡ケアについて
- 排便コントロールについて
- 治療を積極的に行えない患者さまへの対応について
- 身体能力が低下している患者さまへ残存機能を生かすケアとは
- 認知症状がある患者さまへの関わり方について また、家族の精神的フォローについて
小児看護学実習のテーマ例
小児看護学では、入院する患児とともにその両親、家族へのケアが大切です。親も子も、母子分離により不安が増強する可能性があるため、面会時間外の患児の様子をしっかりと観察し、ちょっとした変化にも注意してみていきましょう。その中で生まれた疑問、特徴的だと感じた内容をカンファレンステーマに選んでみるとよいでしょう。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 小児科病棟の特徴とは
- 母子分離不安が強い子どもへの対応
- 入院治療への不安が強い家族への関わり方について
- 点滴治療中の固定方法について(患児の年齢によっての違い)
- 入院中のトイレトレーニングについて
- 入院生活における安全な環境整備とは
母性看護学実習のテーマ例
母性看護学とは、生涯を通じた女性の健康支援のみならず、そのパートナー、家族、家族が暮らす地域社会まで含みます。実習では、実際の出産サポートをすることになりますが、分娩期、産褥期の理解とともに出産を通して変化する生活環境、育児環境をテーマに選んでみるのもおすすめです。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 切迫早産で長期入院となる妊婦さんへの身体的、精神的ケアとは
- 愛着形成に不安を抱える妊婦、褥婦さんへのケア
- 授乳がうまく行かない褥婦さんへの関わり方について
- 両親学級での指導内容について
- パートナーの分娩時の関わり方を考える
- 地域が行う育児支援とは
精神看護学実習のテーマ例
精神看護学実習では、意思疎通が難しい患者さまや、興奮状態になりやすい患者さまがいらっしゃり、コミュニケーションの取り方が課題になります。
適切な距離感を保ちながら信頼関係を築けるような関わり方を考え、テーマに選んでみましょう。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 意思疎通が難しい患者さまとの関わり方について
- 自殺企図がある患者さまとの関わり方について
- 清潔観念が不足している患者さまへの有効な声かけについて
- 精神病を抱える患者家族の精神的、社会的ケアについて
- 患者さまを尊重する関わり方とは
- 受け持ち患者さまとの今日の関わりを振り返って
在宅看護学実習のテーマ例(訪問)
在宅看護では、看護の場が患者さまのご自宅となるため、生活環境をしっかりと把握することが大切です。また、患者さまの一番近くにいる介護者とコミュニケーションを密にとり、介護者の精神的負担を考慮しながら他職種とともにサポートしていく必要があります。
病院と自宅でのケア方法の違いや、他職種との連携方法をテーマに選んでみるとよい学びになるでしょう。
具体的なカンファレンステーマはこちら
- 看護師としてご自宅に伺う際のマナーとは
- 自宅で看護を行う際の環境整備を行うポイント
- 看護師不在の緊急対応について、家族に説明する際のポイント
- 自宅にあるもので代用できる看護物品にはどういうものがあるか
- 在宅看護における他職種とのチーム連携の流れとは
- 在宅での看護ケアを実施してみて病院での看護ケアの違い
患者さまとの関わりで疑問に持ったことをカンファレンステーマに選んでみよう
患者さまと関わる中で疑問を持った点はどんどんメモに残し、自分で調べながら他メンバーの意見をカンファレンスで聞いてみるのも良いでしょう。
また、質の良い看護を提供するために疑問、不安を解消できたときや、良い看護ができたときには、カンファレンスで情報共有を行いましょう。そうすることでメンバー間のレベルアップに繋がるはずです。
カンファレンステーマを選ぶときのポイントを以下に3つご紹介します。
- 自分が患者さまと関わる中で困ったこと
- 看護計画を立案する上で不安な部分、疑問に思うこと
- 自分が提供した看護ケアが患者さまにどういった効果をもたらしたか(良い方向に進んだのか、改善点があるのか)
カンファレンスはより良い看護を提供するための意見交換の場
カンファレンスというと「指導者に何を言われるか怖い…」などと思う方もいるかもしれません。
実際のカンファレンスは安心・安全な、より良い看護を提供するために学生同士で考え、情報を共有する場です。カンファレンスの先には必ず患者さまがいることを忘れないようにしましょう。
担当指導者から助言をもらうことで教科書にはない学びを得ることもあります。臆することなく、どんどん発言していきましょう。
カンファレンスに臨む際は、漠然とした不安や疑問を投げかけるだけでなく、自分のアセスメント・意見をしっかりと伝えることで、解決したいことや話し合いたいことが具体的になり、有意義な学びの場となるはずです!
その他、カンファレンスの基本や進め方のポイントは以下でご紹介していますので併せて確認していきましょう!