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看護実習の学びレポートの書き方 基本編

学びレポートとは?

学びレポートとは、実習での学びや考察、看護観の変化、今後の課題を先生へ伝えるためのものです。

先生は、レポート内容から「学ぶ姿勢」「考え方」を読み取って実習目標の到達度を評価しています!

レポートテーマは自分で決めることが多いので、実習目標に関する具体的な内容を選ぶことが大切です。

レポートの書き方に悩む学生は多いようですが、書きはじめる前にポイントさえ押さえれば、だれでも簡単に書くことができます!
レポートのサンプル(例文)を無料ダウンロードできますので、ポイントを押さえた上で、ぜひ参考にしてみてください。

学びを深める良いレポートとは?

  • 実習で感じたこと・考えたこと・難しかったこと・克服方法・結果・今後の課題が明確
  • 実習での学びと、文献引用による根拠が書かれている
  • 実習後の看護観の変化について書かれている

学びレポートを書く目的とは

学びレポートの目的は3つあります。

  • 学習の整理のため
  • 今後の課題を明確にするため
  • 実習の自己評価と他者評価のため

実習の総まとめとして、患者さまとのやりとりや、立案した看護計画、提供した看護、看護師からの助言を振り返り、文章にまとめることで思考が整理されて知識が身につきます。

看護師国家試験の状況設定問題では、実践的な知識が重要です。「実習の時こうしていたな」と実習の記憶を辿ることで、正解できる問題が多くあります。実習でしか学べない、実践的な知識を身につけるために、学びレポートをしっかり書くことが大切です。

学びレポート作成のポイント

看護学生が、学びレポートを上手に書くための4つのポイントをcheckしよう!
ポイントを押さえることで、実践的な知識が身につき、先生からも高い評価をもらえるレポートを作れます。


実習目標を理解して、客観的・論理的に書く

まずはシラバスや実習要項にある、実習目標を再確認しよう!
この実習で学んでほしい内容が、実習目標になっています。看護師になるために何を学習しておくべきなのかを理解して、実習目標に関連したレポートを書くことが重要です。

看護師の説明や助言を並べ、学びや感想だけを書く学生が多くいます。レポートは感想文ではないので、主観的な意見や感想ばかりにならないように注意しましょう!

レポートは、テーマに沿った事実や情報をまとめて報告するものです。文献を使って、理論や客観的なデータ、統計を利用し根拠を明示します。自分の考えや感じたこと、実施した看護を根拠と紐づけることで、論理的な文章になり、学びも整理されます。


患者の杖歩行訓練を援助することで、5mしか歩行ができなかった患者が1週間後には、ふらつきなく10m歩行可能となった。歩行可能距離が伸びた理由は、筋力の増強や疼痛軽減、意欲の向上にあると考える。患者の意欲の向上に関して、「姿勢やふらつき、歩行距離など改善している点を意識した声かけの実施」を看護計画のTPに挙げ実践した。(文献)〇〇において、(名前)□□は~~と述べている。よって、歩行訓練における患者の意欲の向上や維持は重要であると学んだ。



患者の歩行訓練を援助して、徐々に歩行可能距離が伸びたため成果がでて嬉しいと感じた。看護師から歩行訓練中の声かけや観察のポイントについて〇〇と助言をもらった。患者のやる気を維持して、歩行訓練を続けることは難しいが大切だと学んだ。



実習前後の看護観の変化を記載する

実習を経験して、看護観に変化はありましたか?
なぜ考えに変化が起きたのか、具体的な学びやエピソードをレポートに記載しよう!

実習を経験して変化する看護観の例
  • なりたい看護師像
  • どんな看護を提供したいと感じたのか
  • どんな看護が大切であると考えたのか
  • 患者さまへの気持ち
看護観が変化した理由の例
  • 患者さまや患者さまの家族とのコミュニケーション
  • 看護師の対応と患者さまの反応からの学び
  • 理想と現実のギャップ
  • 看護計画の立案や実施の経験
  • 患者さまの状態変化(回復・急変・死など)

私の看護観は、患者さまの意思や苦痛を理解して、最期までその人らしく生きられるよう看護を提供することだ。私がこの看護観を抱くようになった理由は、実習で受け持ったA氏の死を経験したことにある。A氏は、・・・。(A氏の情報や実施した看護実習での学びを記載していきます)



実習を通して、患者さまの意思や苦痛を理解して、最期までその人らしく生きられるよう看護を行うことの大切さを学んだ。A氏は、・・・。(A氏の情報や実施した看護、実習での学びに続く)


看護観について記載がなくても、評価が高いレポートは作成可能です。しかし、看護観にふれることで内容に深みが出て、構成がしっかりした読みやすいレポートができます。自分の成長や看護観の変化が整理されるためおすすめです。


自分の課題を明確にする

実習の学びを、今後何に役立てるのか、どのような自己課題を挙げて達成を目指すのか記載します。

実習では実践が難しかったことを課題に挙げて、達成に向けて何をしていくのか記載することもおすすめです!

課題を明確にすることで、レポートの評価に加え、実習に取り組む意欲的な姿勢も高く評価されます。自分に足りない知識や技術を理解し、成長に向けてやるべきことを整理しましょう。


患者の個別性に応じた援助の実践を課題に挙げる。実習で受け持ち患者に負担をかける清潔ケアを実践し、患者の反応を観察することができなかった。仰臥位で行う基本的な清潔ケアの看護技術だけでなく、患者の疼痛部位を配慮した陰部洗浄や姿勢保持困難な患者の全身清拭の手順など、条件を設定し技術の練習を行っていく。また、技術テストで挙げられた課題を練習し、技術のレベルを上げて課題の達成を目指す。援助中に患者の反応を観察する余裕を持ち、計画の評価と修正をすることでより患者の個別性に応じた看護の提供ができるよう努力したい。



患者の個別性に応じた援助の実践が重要であると学んだ。仰臥位で行う基本的な清潔ケアの看護技術は身についているが、患者の疼痛部位を配慮した陰部洗浄や姿勢保持困難な患者の全身清拭は難しかった。引き続き看護技術の練習を行っていく必要がある。患者の個別性に応じた看護を提供するため、自己評価と努力を通じて成長を目指していきたい。


具体的な課題や、課題の達成に向けて何を行うのか書かれていません。抽象的で意欲に欠ける印象が残ります。


文献を使用する

文献を使用することは、「自らの考えを補強する」「学びの姿勢をアピールする」という意味があります。実習での学びや実践した看護と、文献にある根拠を関連付けることで、学びが深まりレポートの内容に信頼性が生まれます。

自分がもっている教科書や参考書、図書館の本、ネット情報などを文献として利用できます。ネット情報を利用するときは、情報源が信頼できるのか、確認することが大切です。

信頼性の高い情報源とは?

信頼性の高い情報元として、
省庁や大学、研究所などが挙げられます

引用する際は、その旨を記載しておくことを忘れずに

引用のルール

参考文献から自分のレポートに文章を使用する時は、引用のルールに従って書く必要があります。無断で文章を利用すると、盗用行為になるためルールを守って正しく引用しましょう。

引用のルール5つ
  • どの部分を引用したのか、「」を使用し本文と分けて表示する
  • どの情報のどの部分を引用したのか出典を明示する
  • 引用する文章の言葉は原則変更しない(変更する場合は分かるように明記する)
  • 引用の表記方法は、実習要項のレポートの書き方を確認する
  • 対応関係が分かるよう文献リストと引用箇所を番号で関連づける

<本文>
実習において○○が重要であると学んだ。
○○ついて、佐藤は「~」と述べている。1)他にも、鈴木は「~」と結論付けている。2)よって、〇〇は重要である。

<引用文献リスト>
1)著者名、 書名、 版表示(初版は省略)、出版者、出版年、ページ数 p.30
2)著者名、 書名、 版表示(初版は省略)、出版者、出版年、ページ数 p.50


引用・参考文献の表記ルール

引用・参考文献の表記方法は、学校によって指定が異なります。実習要項や課題の説明用紙を確認してください。一般的な表示方法を紹介します。

引数・参考文献(本)表示方法

著者名、書名、版表示(初版は省略)、出版者、出版年、総ページ数 p.○○、引用した箇所のページ数

引数・参考文献(Webサイト中の記事)表示方法

著者名、Webページのタイトル、Webサイトの名称、更新日付、URL、(アクセス日)

実習時に使える!看護計画・関連図など無料ダウンロード

テーマや文章構成の考え方

それでは実際にレポートを作成してみましょう。

STEP1 実習の振り返り

レポートを書くために、実習を振り返って整理していきましょう。

1.学びの内容

実習要項、シラバスにある実習目標の中で、自分が一番よく学べたと感じる内容を選び、具体的に学びの内容を書き出そう。

2.受け持ち患者さまの情報

入院の原因・経過、現状、ADL、今ある問題、必要なケア、患者さんの思い、キーパーソンや家族について、患者さまの情報を整理しよう。

3.印象に残る場面

印象に残る、患者さまの反応や患者さまとのやりとりの場面を書き出そう。

4.立案した看護計画

その看護計画を立案した理由や自分の思いも振り返ろう。

5.看護計画を実施した結果

看護を提供して上手くいったこと、失敗したこと、患者さまの反応、看護師からのアドバイス、自分がどう考えたのかを振り返ろう。

6.看護師からの学び

看護技術やアセスメント、コミュニケーション、多職種連携など学んだことを思い出そう。

7.実習前後の看護観の違い

なりたい看護師像、提供したい看護、看護において大切なことの変化を書き出そう。

8.学びをどう活かしていきたいか 9.今後の課題

最後に課題達成に向けてやるべきことをまとめます。実習をしっかり振り返れば、レポート作成がスムーズになります。


STEP2 レポートのテーマ決め

レポートのテーマ決めにおいて、実習目標を理解することは重要です。学びのポイントをおさえたレポートを書くために、実習目標に関連するテーマを必ず選んでください。

先生は成績を評価するうえで、実習目標の達成状況をレポートでも判断しています。実習目標を達成できていると理解してもらう内容を書くことがポイントです。

実習目標から、自分がよく学べた内容や、患者さまとのやりとりが印象的だった内容のテーマを選びましょう。振り返りやすい内容を選ぶと、レポートが書きやすいですよ。


STEP3 文章構成を考える

まずは序論・本論・結論の3つに分け、文章構成を考えます。序論と結論は簡潔に、本論は文字数を多めに書くとバランスが良いレポートになります。
(文字数が多いレポートの場合は、本論を3つに分けて書くと文字数を稼ぐことができます)

序論

「はじめに」あたる導入部分。テーマを選んだ理由と、テーマからみつけた問題点を説明する。
「シラバスや実習要項に対して課題だと考えていたこと」や「実習に行ったことではじめて分かった自分の課題」など。

①高齢者の特徴の理解と尊厳に配慮した看護の提供を目標に挙げ、老年看護学実習に臨んだ。(または、「高齢者の特徴の理解と尊厳に配慮した看護の提供に焦点を当て、老年看護学実習での学びを報告する。」でも可)老年看護学実習の対象である高齢者は、エリクソンの発達段階では成熟期にあたり、統合性・絶望の時期である。私の受け持った患者は「こんな姿で長生きしたくない」「もう見送る人がいなくなった。私も早く行きたいわ」など死の受容をしており、統合の時期だが絶望に近いような発言も見られた。

②質の高い看護とは、個別性に応じており、患者の力を引き出せる看護だと考えた。私がこの看護観を抱くようになった理由は、受け待ち患者のA氏とのやりとりにある。
A氏は、60代男性、大腿骨頸部骨折で入院し、自宅退院を目指しリハビリに励んでいる患者である。


本論

自分の伝えたいこと。具体的な説明や見解を述べる。実習で実践した看護計画の内容や患者さまとのエピソードを交えて記載しましょう。
※3つくらいに分けると書きやすい
  • ❶解決策を考える(これまで学校で学んだこと、自分で調べたこと、実習中にはじめて感じたこと)
  • ❷実践する(どのように実践したか、実践内容の詳細)
  • ❸その結果どうなったか(失敗だったことでも良いので、事実を正確に書く)

結論

本論で書いたことをまとめ、自分の考えや今後の展望を書く。
「看護実習を通して何を学び何を感じたか」「今後の課題と目標」「授業で学んだことを活かせた部分、より深めるべきと思った部分や気づき」など。

看護学生がやりがちな失敗例

レポート作成において、学生がよくやりがちな失敗例をご紹介します。自分のレポートが失敗例に当てはまらないか確認してみましょう。
レポート作成から一晩経った翌日に見直してみると客観的に判断できるので、おすすめです。


× 正しい書式や文字数を守っていない

レポートを書くにあたり、用紙サイズ、行数、文字数、レイアウト、引用・参考文献の書き方など、書式の指定があります。「です・ます」「だ・である」など語尾の指定にも要注意です。必ず指定を守ってレポートを作成しましょう。


× ただの感想文になっている

テーマに沿って何を学び、どのように考え、どう変わったのかを記述することが大切です。
主観的な意見や感情ばかりにならないように注意し、実習内容や学びについて具体的な事例を書きましょう。レポートは、感想文ではないため、事実や情報をまとめることを意識してください。


× 文献を利用していない

教科書、参考書、文献を利用して、きちんと調べたことをアピールするのと同時に文章を補強します。また、根拠を書くことで学びの整理になります。


× 文章を丸写し!

文献など文章の丸写しは、すぐにバレてしまいます。丸写しをしてしまうと、受け持ち患者さまの個別性が反映されず、実施した看護の内容も抽象的になります。何よりも、学びの整理ができずに自分の知識として身につきません。国家試験や看護師として働いてからも、実践的な知識や経験は役立ちます。自分の成長のためにも、経験や考えを自分の言葉で書くことが何よりも大切です!


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