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看護実習学びレポートの書き方「小児看護学実習」

看護実習
公開日

小児看護学実習では学ぶことが多く、「学びレポートに何を書いたらいいのか分からない」「内容がなかなかまとまらない」と悩む看護学生も多いのではないでしょうか。
この記事では、小児看護学実習の学びレポートを書くサポートを行います。
実習の振り返りポイントや、レポートのテーマ例・構成例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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小児看護学実習とは?

小児看護学実習は、子どもの成長発達と家族との関係を理解し、健康状態に応じて、子どもと家族が充実した生活を送るために必要な看護を学習します。
病院実習と保育園実習があり、健康問題を抱える子どもの看護に加え、幼児期の子どもの特徴や保育の実際も学びます。

病院実習では小児患者さまを1名受け持ち、看護過程を展開します。小児特有の疾患を対象とするため、肺炎やネフローゼ症候群などの有名な病気だけでなく、初めて聞く先天性疾患の患者さまを受け持つこともあるでしょう。バイタルサインの基準値や成長発達の視点、コミュニケーション方法など、成人看護とは異なる対応が必要なため、事前学習や自己学習が重要になります。

小児看護学実習の事前学習

小児看護学実習で学ぶこと

小児看護では、子どもの成長発達に寄り添い、日常生活援助や病気や障害の治療のサポート、精神的支援を行います。
幼児期は成長発達において重要な時期であり、それぞれの発達段階で特徴や課題が異なります。成長発達を促進する視点を持って、発達に適したコミュニケーションや看護の提供が必要です。

小児看護学実習で学べる内容は、以下になります。

  • 子どもの成長・発達と生活の実際
  • 子どもの健康問題が家族や成長発達に与える影響
  • 子どもの安全・安楽の考慮
  • 成長発達に合わせた、コミュニケーション・学習・遊びの方法や援助
  • プレパレーションとディストラクション
  • 子どもの意思決定や権利
  • 将来の成長・発達をふまえて起こりうる問題の予測や対策
  • 小児看護における看護師の役割

子どもたちは環境の変化や医療処置に対して不安や恐怖を感じやすいため、精神的支援が必要です。子どもの健康問題によって、ご家族も不安を抱えているため十分な精神的支援が求められます。
治療を円滑に進めるためにも、成長段階に応じたアプローチを学び、子どもの頑張る力を引き出しましょう。

小児看護学実習の学びレポートのポイント

小児看護学実習では、初めて受け持つ疾患の病態生理や成長発達理論の理解、プレパレーションの準備など、自己学習に時間を使ったのではないでしょうか。思うように記録物が進められず、レポート作成にプレッシャーを感じている学生もいるかと思います。
要領よくレポートを仕上げるために、テーマ例や内容のポイントについてお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

小児看護学実習を振り返ろう

受け持った小児患者さまと家族の反応や、提供した看護、看護師のアドバイスなどを整理すると、レポートが書きやすくなるためおすすめです。一緒に実習を振り返りましょう。

受け持った小児患者さまの成長発達段階

子どもは発達段階によって反応や理解力が異なるため、個別性に合わせた関わりが重要です。遊びや会話、ケア、説明において注意したことや、家族や看護師からの学びを振り返りましょう。

ピアジェの認知発達段階エリクソンの心理社会的発達段階の理論を理解し、どのようにアセスメントをしたでしょうか。成長発達の特徴や課題を看護にどう生かしたかについて考えてみてください。
精神発達遅滞を持つ小児患者さまを受け持った場合、どのように成長発達段階を判断したのか、看護師からもらった助言などを整理しましょう。
現在の成長発達に焦点を当てた看護だけでなく、今後の成長発達に伴って起こりうる問題の予測や解決への援助も重要です。

小児患児さまが抱く環境や治療への不安

成長発達の特徴からも、子どもは家族のいない病院という環境や治療に対して、大きな恐怖と不安を感じています。受け持った小児患者さまの精神的問題の理解と、解決に向けて実施した内容を振り返りましょう。信頼関係を築くうえで大変だったことや、工夫したことについても記載すると良いです。
精神的支援において、看護師に求められる役割についても考えてみてください。看護師の対応で学びになった点もあれば記載します。

家族が抱く不安と、子どもの健康問題が与える家族への影響

わが子が健康問題を抱えることで、家族も辛さや不安を抱えています。付き添い入院によって自分の時間を持てない方や、十分な睡眠がとれない方、対象の小児患者さま以外の家族に会えず寂しさや申し訳なさを感じている方など、精神的フォローが必要な家族は多くいます。
わが子の入院によって、仕事が制限されたり、兄弟の育児を他の家族に任せたり、家族の機能に変化が生じる場合もあるでしょう。
小児患者さまの家族も看護の対象であるため、家族の精神的支援の重要性について、学びをレポートにまとめることもおすすめです。

実際に実施したケアや指導、説明

小児患者さまへのケアで、どのようなことに注意しましたか?
子どもの成長発達を促進する関わりや、発達段階に合わせた遊び、コミュニケーションなどについて書きましょう。
点滴や採血などの治療において苦痛を感じている場合もあるため、苦痛の理解と苦痛緩和の看護も大切です。
指導や説明において、プレパレーションやディストラクションを実施した場合は、その内容をレポートテーマに選ぶことをおすすめします。看護師からのアドバイスや、説明を受けた小児患者さまの反応なども具体的に記載してください。
子どもは、危機予測や危険防止行動を自分でとることが難しいです。小児患者さまの安全と安心を守るためにどのような看護が必要なのか、学びがあれば書くと良いでしょう。入院生活の環境や家族の関わりなどについても気づきがあれば関連づけて記載してください。

子どもの意思決定や権利について考えたこと

日本小児科学会の「医療における子ども憲章」はご存じですか?
子どもが医療を受けるうえで持っている権利について書かれています。子どもの権利を守るために看護師が留意していた点や、実際の関わりで注意した点を記載しましょう。
治療方針において、子ども一人では意思決定が困難です。術前説明や病状説明の見学ができた場合などで、具体的なエピソードがあればレポートテーマに選ぶことをおすすめします。
子どもの意思決定における家族や医療者の対応について、学んだことを記載してください。

小児看護学実習の学びレポートテーマ例

小児看護学実習を振り返って、最も印象に残っている出来事や、深く考察したこと、上手くいかずに努力したことはありますか?
実習目標と関連あるテーマかつ、多くを学んだテーマを選択しましょう。テーマや簡単な構成の例を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

学びレポートのテーマ例をみる

小児患者さまを受け持つことで得た学びのレポート

受け持った小児患者さまの情報や、抱えていた問題についてのエピソード、実施した看護について説明しながら学びをまとめます。

テーマ例

『治療を必要とする小児の発達段階に応じた関わり』
『小児看護における精神的支援の重要性』
『小児看護学実習で実施したプレパレーションの効果と学び』
『小児患者の安全や安心を考慮した看護』

構成

1.実習の学び

(例)小児看護において、発達段階を理解した看護の提供は、安心して治療に臨むことや成長発達を促すうえで重要であると学んだ。また、現在の成長発達に合わせた看護に限らず、今後の成長発達に伴って起こる問題の予測や解決の支援も重要な看護師の役割である。

文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加します。

2.受け持った小児患者さまや家族の情報やエピソード

年齢、疾患、背景など、小児患者さまと家族の紹介をします。
子どもと家族の発言や反応、抱えていた不安について具体的に記載してください。

3.看護計画の内容や立案理由と、介入した看護と効果・考察

自分が実際に実施したケアや、小児患者さまの反応を記載します。
効果のある看護であれば、文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加しましょう。上手くいかなかったことでも、考察や改善策、看護師からの助言について記載します。

4.看護師の役割や看護師から学んだこと

自分には実践できなかった看護師の対応や、看護師から指導を受けた学びについて記載します。テーマに関する学びの重要性を再度明確にしてください。

5.今後の課題

実習での学びを今後の看護にどう活かしていくのか書きましょう。自分が身につけるべきだと感じた知識や技術の獲得のために、どんなことを実施するのか具体的に記載します。

実習の学びを活かして、自分の考えを述べるレポート

考察のきっかけとなったエピソード、受け持った小児患者さまと家族の情報、実施した看護などの実習の学びをふまえて、自分の考えをまとめます。

【テーマ例】

『小児患者の権利についての学び』
『健康問題が子どもや家族与える影響』

【構成】

1.自分の考え

(例)小児看護学実習を通して、子どもの権利を尊重する重要性を学んだ。中でも、〇〇の権利は最も重要であると考え、~~のために守られるべき権利である。
日本小児科学会は「医療における子ども憲章」において、医療を受ける子どもの権利には「〇〇の権利」や「〇〇の権利」があると述べている。

考え方について、文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加します。

2.考えの理由

受け持った小児患者さまと家族の情報や、エピソードを記載しましょう。なぜ学びを得たのか、考えや価値観の変化が起きたのか、理由を明確にします。

3.実習での学び

小児患者さまや家族、看護師との関わりを通して学んだことと、看護師の役割の重要性を記載します。文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加しましょう。

4.今後の課題

考えや価値観の変化をふまえて、今後どうありたいか、どのように看護に活かしていくか記載します。

学びレポートの書き方のポイント

レポートは実習目標に沿ったテーマを選択し、例で紹介した文章構成を参考にして記載すると素早く簡単に作成できます。

小児患者さまの情報や反応、実施した看護と改善点などを振り返り、具体的にレポートに書きましょう。
小児看護学実習ではさまざまな学びを得ますが、学びのすべてを書こうとすると文章がまとまらなくなってしまうため注意が必要です。テーマの内容から逸れないように記載することで、分かりやすいレポートが完成します。教科書や参考書、文献から引用し、根拠がある学びの深いレポートを目指しましょう。

以下の記事では、学びレポートのポイントを詳しく説明しています。ぜひレポート作成前に確認し、効率良くレポートを書き進めてください。

学びレポートの書き方

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