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看護実習学びレポートの書き方「精神看護学実習」

看護実習
公開日

精神看護学実習では、目に見えない疾患の理解に難しさを感じながらも、患者さまとのコミュニケーションについて多くを学んだのではないでしょうか。
「学びのまとめ方が分からない」「レポートに何を書くか悩む」などと、学びレポートの作成に時間がかかってしまう学生も多くいます。
この記事では、実習の振り返りポイントや、レポートのテーマ例・構成例を紹介しています。精神看護学実習の学びレポートを書く参考にしてください。

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精神看護学実習とは?

精神看護学実習は、精神の疾病・障害を持つ人を身体的・精神的・社会的視点から理解し、その人らしく生活するために必要な看護や援助を学習します。

患者さまを1名受け持ち、看護過程の展開を行います。患者さまの疾患の多くは、統合失調症やうつ病、躁うつ病です。患者さまとの会話や出来事を振り返る、プロセスレコードの提出がある学校もあります。患者さまとの関わりを通して、言葉の捉え方や伝え方を振り返り、自分のコミュニケーションの傾向を知ることが重要です。

精神科病棟では、ADLが自立している患者さまも多く、日常生活援助の機会は少ない場合もあります。患者さまとのコミュニケーションを中心に学習していき、オセロや将棋などの共通の体験を楽しみながら関係を構築していく学生もいます。

精神看護学実習で学ぶこと

精神科病棟では「任意入院」「医療保護入院」「措置入院」「応急入院」「緊急措置入院」の5つの入院形態があります。患者さまの入院目的を理解し、病識のない患者さまとの関わり方や、精神症状のある患者さまとの関わり方を学びましょう。

精神看護学実習で学べる内容は、以下になります。

  • 精神科病棟の治療的環境
  • 患者さまの身体・精神・社会的特徴
  • 薬物療法
  • 行動の制限に対する看護
  • 安全確保対策
  • 患者さまを尊重したコミュニケーション
  • 患者さまの人権と倫理
  • 患者さまの強みに着目した関わり
  • 自分のコミュニケーションの特徴
  • 精神看護における看護師の役割と多職種連携

患者さまとコミュニケーションを重ねて信頼関係を構築し、患者さまの苦痛だけでなく健康的な側面にも気づくことが重要です。患者さまとの会話の内容や自分の感情を振り返ることで、自分のコミュニケーションの特徴を理解しましょう。

精神看護学実習の学びレポートのポイント

精神看護学実習の学びレポートを書く上で、精神に障害を持つ患者さまの理解コミュニケーションについての学び自己洞察が大切になります。レポートのテーマ例や内容のポイントをお伝えしますので、参考にしてみてください。

精神看護学実習を振り返ろう

実習を振り返ることで、学びや課題が整理され、効率的にレポートを作成できます。受け持った患者さまの疾患や、入院目的抱えている問題を整理しましょう。コミュニケーションや実施したケアからの学びなど、大切なポイントを振り返ります。

患者さまの身体・精神・社会的特徴の理解

精神看護学実習の実習目標には、「精神の疾病・障害を持つ人を全人的に理解すること」が挙げられている場合が多いため、文献を使用しながら患者さまの特徴について学んだ内容を記載しましょう。

精神科の治療には、薬物療法に加え、認知行動療法レクリエーション療法などの精神療法があります。場合によって、安全の確保のために身体拘束や隔離を実施していることもあるでしょう。患者さまの症状に応じて必要な治療が行われており、治療の目的や効果について理解することが大切です。

患者さまの疾患や治療だけでなく、今までの生活の背景を知ることも重要です。患者さまの歴史を知ることで、現在の行動や考えの理由も理解できます。個別性を意識し、患者さまにしっかり向き合うことで信頼関係を構築しましょう。患者さまを全人的に理解する上で考察したことや、看護師からもらった助言などをレポートに記載してください。

精神に障害のある人を尊重したコミュニケーション

患者さまとコミュニケーションをとる時に、タイミングや時間帯、態度や声かけなど注意したことはありますか?
患者さまが求める距離感や、気分や体調を考慮した対応、ペースを合わせたコミュニケーションなど、その都度患者さまに合わせた対応が重要です。学生自身も患者さまの影響因子になることを理解し、患者さまの反応を観察しながら関係性を深めていきましょう。

看護師の対応から学んだことや、指導を受けた内容患者さまの反応からアセスメントしたことなどをレポートに詳しく記載します。患者さまの個別性から、どのように考察して、何に気を付けてコミュニケーションをとったのか振り返ってください。

ストレングスの視点

患者さまの強みを見つけて、その人らしく生活できるようサポートしましょう。患者さまの抱える問題や、できない部分だけに着目せず、強みを活かした看護計画を立案することがポイントです。患者さまの健康的な面や価値観に働きかけることで、セルフケアのサポートや、やる気を引き出す関わりが可能になります。患者さまにも自分の強みを知ってもらえるよう声かけを行うことが大切です。

例えば、陰性症状から言葉や意欲が乏しい患者さまが、将棋をした後に「楽しかった」と話した場合、患者さまが興味や関心を示した将棋はストレングスの一つであると言えます。
患者さまの強みを活かした対応の事例を、ストレングスモデルを引用しながらレポートに記載しましょう。

自己洞察

プロセスレコードを用いて、患者さまの言動と自分の感情・考え・言動を整理することで、自分のコミュニケーションの傾向を理解できます。自分の特徴を理解できたら、患者さまとの関わりにどのように活かしていくかについて、レポートに書くことをおすすめします。

精神障害者観において、実習前後で変化はありますか?実習を通して、精神疾患を持つ方に偏見を持っていたことに気づく学生も多くいます。精神疾患を持つ方と関わる機会は少ないため、経験の少なさから恐怖や戸惑いを感じた学生もいるでしょう。実習を通して、新たに自分の思考や行動、感情に気づいた点があれば、動機となるエピソードと共にレポートにまとめると学びがより深まります。

精神看護学実習の学びレポートテーマ例

実習のレポートテーマと簡単な構成の例を紹介していきます。達成できた実習目標の内容や、具体的な事例を記載できるテーマを選択しましょう。

学びレポートのテーマ例をみる

精神疾患がある患者さまを受け持つことで得た学びのレポート

受け持った患者さまの情報や、抱えていた問題についてのエピソード、実施した看護についての説明をしながらレポートを書いていきます。

テーマ例

『病識のない患者に寄り添う看護』
『精神疾患を持つ患者を尊重したコミュニケーション』
『精神疾患を持つ患者の強みを活かした看護』
『精神疾患を持つ患者がその人らしく生きるためには』
『精神看護における看護師の役割』

構成

1. 実習の学び

(例)精神看護学実習を通して、精神疾患を持つ患者を身体・精神・社会的に理解し、ストレングスの視点から看護を提供する重要性を学んだ。
ストレングスモデルとは…である。
患者の抱える問題や、できない部分だけに着目せず、強みを活かした看護計画を立案することが重要である。患者が思い描く将来像を共有でき、患者の望むセルフケアのサポートや、やる気を引き出す関わりが可能となった。

文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加します。多くの学校で実習目標に挙げられている「精神疾患を持つ患者の全人的理解」や「強みに着目した看護」について学びを記載し、実習目標を達成していることを明確にしましょう。

2. 受け持った患者さまや家族の情報やエピソード

どんな患者さまを受け持ったのか、病名や年齢を始め身体的・精神的・社会的側面から必要な情報を記載してください。患者さまが抱えている問題についての発言や行動があれば、エピソードとして記載しましょう。

3. 看護計画の内容や立案理由と、介入した看護と効果・考察

「患者の〇〇の様子や発言を受けて、~~と考察し#1の看護計画を立案した。」のように、立案の理由を述べましょう。実際に看護計画を実施して難しかった点や、実施して良かった点、患者さまの反応を記載し、考察をしてください。患者さまの強みを活かした看護計画を立案した場合は、強みと判断したアセスメントの内容や、どのように工夫をして計画に取り入れたのか詳しく記載しましょう。

効果のある看護であれば、文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加しましょう。上手くいかなかったことでも、考察や改善策、看護師からの助言について記載します。

4. 看護師の役割や看護師から学んだこと

自分には実践できなかった看護師の対応や、看護師から指導を受けた学びについて記載します。テーマに関する学びの重要性を再度明確にしてください。

5. 今後の課題

実習での学びを今後の看護にどう活かしていくのか書きましょう。自分が身につけるべきだと感じた知識や技術の獲得のために、どんなことを実施するのか具体的に記載します。

実習の学びを活かして、自分の考えを述べるレポート

考えや価値観を変える理由となったエピソードや、実施した看護とともに学びをレポートに書いていきます。

テーマ例

『自己洞察から得た、自己のコミュニケーションの特徴』
『実習を通して変化した、私の精神障害者観』

構成

1. 自分の考えや精神障害者観

(例)精神看護学実習を通して、精神障害を持つ人への意識が変化した。実習開始前は、精神症状がある患者とコミュニケーションをとることに恐怖や不安を抱いていた。しかし、患者の背景や今までの生活など、ひとりの人として個別性を理解することで、患者の立場に共感し信頼関係を築くことができた。

精神障害者への偏見や考え方について、文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加します。

2. 考えや精神障害者観の変化の理由

受け持ち患者さまの情報や、コミュニケーションの内容を記載しましょう。なぜ考えや価値観の変化が起きたのか理由を明確にします。

3. 実習での学び

受け持ち患者さまや看護師との関わりを通して学んだことを記載します。文献や看護研究の結果、学者の理論を使用し、根拠を追加しましょう。

4. 今後の課題

考えや価値観の変化をふまえて、今後どうありたいか、どのように看護に活かしていくか記載します。

学びレポートの書き方のポイント

質の高い学びレポートを作成するためには、適切なテーマ設定や、実習目標の達成を明確にすることが重要です。実習目標に沿ったテーマを設定し、実習の経験や事例を具体的に記載しましょう。信頼性のある情報源を活用し、引用や参照を忘れずに行うこともポイントです。読みやすい文章構成や、簡潔で分かりやすい文章表現を意識することをおすすめします。

以下の記事では、学びレポートの書き方を詳しく説明しています。レポートの正しい書き方を理解して、充実したレポートを書き上げましょう。

学びレポートの書き方

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