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わすれられない実習体験

数週間に渡る看護実習は、患者さまから感謝され、やりがいを感じる一方、うまくいかないことばかりで「辞めてしまいたい。」と、思うことも…。
先輩たちの忘れられない実習体験談を読んで、ぜひ、今後の実習の参考にしてみてください。

Case1
看護師としてのやりがいを感じた
"患者さまからの手紙"
患者さま情報:末期癌の60代男性

大学4年生の最後の実習で、末期の癌患者さまを受け持ちました。実習がはじまって何日か経ったある日、実習の指導者、担当医、患者さまのご家族を交えて話しあう機会がありました。「本人への告知をどうするか?」この患者さまには、まだ末期であることを告知をしていませんでした。学生である私は、日頃からこの患者さまとコミュニケーションをとっていたので、話し合いの場で、患者さまの2つの情報を共有しました。一つは「患者さまは自分が末期だと気づいていること」、もう一つは、「患者さまがこれからの人生を楽しく過ごしたいと言っていたこと」。様々な情報や状況を参加者全員で精査し、結果的に「告知する」ことになりました。

実習期間が終わった2~3か月後に、学校へ一通の手紙が届きました。
「末期癌であることを教えてくれてありがとう。残りの人生を楽しく生きていられるのは看護学生さんのお陰です。」
告知をした患者さまからの手紙でした。この感謝の手紙をいただいた時、看護師としてのやりがいを初めて感じました。

Case2
元気になっていく姿が"喜びとやりがい"です
患者さま情報:肺炎で入院中の80代男性

私が受け持った患者さまは、入院前は、在宅で暮らしていてADLも自立していました。ところが、肺炎により入院治療をすることになりました。入院が長期化したためADLが低下し、寝たきりに。自分の名前も言えないような状態になってしまいました。

患者さまに関わっていく中で、少しずつですが反応がみられるようになりました。車イスに乗れるようになり、食事を自分でとれるようになっていく経過がみられました。
3週間目には一緒に大ルームで絵を描くことができるようになりました。紙に自分の名前を書いて教えてくださったり、私の名札を見ながら、名前を紙に書いて覚えようとしてくれたので、すごくうれしく感じたのを覚えています。
長期間の入院によって寝たきりの状態になってしまっても、元の生活に戻れるように他職種で連携しながら支援し、少しずつADLがアップしていきました。元気になっていく姿をみられる喜びとやりがいを感じた実習でした。

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Case3
悲観的な患者さまが、
前向きに頑張れるように!
患者さま情報:脳血管疾患の50代男性

脳血管疾患により、高次脳機能障害を併発し記憶障害になった患者さまは、以前とは違う自分に、とまどい悲観的になっていました。
職場では責任のあるポジションだったため、入院中も仕事のことを気にしていて、以前のように仕事に戻ることができるのか、とても不安を抱えている様子が見受けられました。
リハビリでは、運動や簡単な計算問題を行っていましたが、なかなかうまく進まず、そんな自分を否定し、できない自分をみられたくない様子でした。このまま続けても良い結果に繋がらないと考え、違うところからアプローチすることを考えました。見当識障害があったので、日めくりカレンダーや、季節の装飾品を病棟に飾るリハビリを行い、少しずつ回復していきました。

そんな中、本格的にリハビリ病棟へ転院が決まり、患者さまを見送りした時に、「仕事に早く戻れるように、リハビリがんばってきます!」と前向きな言葉を聞くことができました。その言葉と一緒に「温かくて、いい看護師になれるよ。」とうれしいメッセージも頂きました。それからはその言葉が、実習や辛い体験を乗り切るための私の原動力となりました。

Case4
退院当日に急変した患者さま
患者さま情報:60代の女性

実習で受け持った患者さまは、経過も順調で退院を迎えることになりました。退院当日「もうすぐご家族が迎えに来られますね。」と会話したのも束の間、突然、容態が急変してしまいました。心肺蘇生のため挿管を行っていたところ、ご家族が病院に到着し、目の前の患者さまの状態にとても混乱した様子でした。ご家族が来られたことを感じたのかは分かりませんが、ご家族の見守る中、そのままお亡くなりになりました。
その当時、私はどうしていいか分からず、ただただショックで泣くことしかできませんでした。

その数日後、「あなたが泣いても何も変わらない」「ご家族は、ショックや悲しみをどこに伝えればいいのか」と指導看護師に言われ、その時はじめて、患者さまのご家族のことを全く気遣うことができていなかったと気づきました。
退院できると迎えにきたご家族は、急変した患者さまを看取らなければならなかった。どれほど混乱して、不安で、悲しかったか…。
この経験を通して、家族の不安や悲しみにも寄り添えるような看護師になりたいと思うようになり、今でもそんな看護師を目指してがんばっています。

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Case5
トレーニングのモチベーションを維持する工夫
患者さま情報:50代の男性

前立腺癌の手術を受けられた患者さまを受け持たせて頂いた時、患者さまは術後の尿漏れを悩んでいました。仕事に早く復帰したいとおっしゃっていたので、一日も早く回復できるように一緒に取り組むことにしました。
骨盤底筋群のトレーニングをはじめましたが、ただ取り組むだけではなかなかモチベーションを維持することが難しくなります。そこで、トレーニングを継続しながら、一方では毎日尿漏れの量をはかりました。それをグラフ化し、推移を見られるようにすることによって、視覚的にトレーニングの効果を実感することができ、患者さまも喜んでトレーニングを継続してくれました。

その実習は、受け持ち患者さまが一人だったこともあり、一緒に運動や病棟の散歩など、じっくり時間をかけてコミュニケーションを取ることができ、実習でなければ経験できなかったことだと思うので、とても勉強になりました。
トレーニングの効果もあり、しばらくして患者さまは退院していきました。退院する際、「思ったよりも早く仕事に復帰できそうで、良かったです!ありがとう!」と喜んでいる様子がとても印象的でした。

Case6
感情が表出しない患者さまへの対応方法
患者さま情報:COPDで入退院を繰り返す80代の女性

2年時の基礎看護実習時の体験です。
ヘビースモーカーでCOPDにより繰り返し入退院を繰り返している80代女性を受け持つことになりました。その患者さまは感情や表情が表出しない方で、患者さまの思いを引き出すために傾聴しましたが上手くいかず、どのように接すればよいか悩んでしまいました。

患者さまは入退院を繰り返していたので、呼吸困難時の基本的な対応の仕方などは身に付いていました。そこで新たに指導するのではなく、患者さまが知っている知識に対して追加で指導していく看護を行いました。
さらに、呼吸困難時に背部を摩り、痰の排出の援助を行い排痰がスムーズに行えるように援助することで、患者さまとの信頼関係を築いていくと、積極的に腹式呼吸や口すぼめ呼吸などを行ってくれるようになりました。実習終了時、挨拶に伺った際、「いろいろしてくれて、ありがとう。」と感謝の言葉をいただきました。

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Case7
大切なのは言葉だけでなく
「いっしょに居る事」
患者さま情報:認知症が進行している70代の男性

1年時の基礎看護学実習で受け持った患者さまは、認知症が進行している70代の男性でした。患者さまが発している内容が正しいのかどうか分からず、情報収集にも苦戦する日々。臥床傾向が強いのも気になる患者さまでした。

患者さまへの対応方法として、認知症がなるべく悪化しないように日中は頻回に訪室し、場所を変えるなどしながらコミュニケーションをとる時間を増やしました。
情報収集は、患者さま本人からするのではなく、電子カルテや患者さまのご家族から行うようにしました。本人と会話での情報収集が難しくても、そばにいる時間が多いだけで表情や行動などから感じ取ることが多かったり、気がついたりする事もたくさんありました。
この実習経験から、患者さまとのコミュニケーションや情報収集は言葉だけではなく、患者さまのそばにいて、表情や雰囲気を観察することも大切だと身をもって感じました。

Case8
コロナ禍で家族との面会が
禁止になった患者さま
患者さま情報:胃癌ステージ4の80代女性

4年時の統合実習基礎実習で、胃癌ステージ4、告知から5日後の80代女性を受け持ちました。実習期間はコロナ禍であったため家族の面会が禁止となっており、告知された時しか家族と会うことができず、1人で気持ちを抱え込んでしまっている状態でした。

少しでも気持ちの整理をする手助けがしたいと思い、日頃のケアの中で少しずつコミュニケーションをとるようにしました。話し相手になることで安心感を抱いていただけたようで、徐々に感情を表出してくれるようになりました。また、入院前の生活に少しでも近い状態に近づけるために、毎日保清のケアを行いました。

患者さまからは「毎日きれいにしてくれてありがとう。学生さんがいたから気持ちも整理できたよ。」と感謝の言葉をいただき、看護学生でも毎日の保清ケアなど、患者さまに喜んでいただけるケアを行えるのだと学びました。

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Case9
解決のカギは、
患者さまとの丁寧なコミュニケーション
患者さま情報:膝関節症で入院されている80代の女性

2年時の成人看護実習の際、膝関節症で入院されている80代の女性を受け持ちました。家族関係良好で、旦那さんはほぼ毎日お見舞いに来ていました。
患者さんは急いでトイレに行ってしまうことが多く、病室訪問した際に靴のかかとを踏んで歩行していたことがあったため、指導計画として「転倒防止のために靴をしっかり履く」という計画を入れました。

余裕を持って靴を履くためにはどうしたらいいか?まずは患者さまと信頼関係を築くために、多くのコミュニケーションをとることにしました。その中で患者さまから「トイレに行きたいタイミングはいつもギリギリになってからで、靴を履くことを急いでしまう」「旦那さんに迷惑をかけてしまっているのが心配」とのことを聞くことができました。

そこで、転倒のリスクや、旦那さんに心配をかけないためにも靴を履くことは転倒予防になる、という説明を改めて丁寧に行いました。私が観察できた範囲では、そこからしっかり靴を履いている様子を見ることができ、転倒の危険性も無くなりました。
実習最終日に患者さんから、たくさんお話をしてくれたことやケアに付き添ってくれたことに対して、感謝の言葉をいただきました。と同時に、涙を流されていたことがとても印象的な実習体験でした。

Case10
患者さまの本当の気持ちに気づける看護師に!
患者さま情報:大腸癌の手術後、退院予定の50代女性

3年時の成人看護学実習(急性期)で受け持った患者さまは、大腸癌で手術を行い、ストマをしている方でした。
数日後の退院に向けて看護師さんが何か不安な事や質問はありますかと聞くと、「特にないです」の一言だけでした。その様子がなんとなく不安そうに見えたので看護師さんが居ない時に、再度「不安なことはありますか?」と聞くと、ゆっくり静かに退院後の不安なことや、これからの生活、家族のことなどを話してくれました。

退院当日、患者さまが「あの時は、ありがとうございました。なかなか看護師さんに伝えられなくて・・・。でも看護学生さんが話しかけてくれたおかげで話すことができました。その後も、看護師さんに伝えてくれたり、学生さんも色々教えてくれたりして。これで家でも安心して過ごせそうです。」

実習では、援助することも大切だと思いますが、コミュニケーションを積極的にとり、患者さまの性格や背景を知った上で、患者さまの気持ちに気づき汲み取る事がとても大切なことだと学んだ実習体験でした。

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