すぐ使える!看護実習目標案と具体例【小児看護学】~ケース別の実習目標と行動目標~
看護実習目標には、実習全体の目標としての実習目標、毎日の目標としての行動目標の2種類あります。小児看護学で使える実習目標と行動目標の具体例を掲載しているので、看護実習ですぐに使ってみましょう。
実習目標の目標案と具体例
目標案と具体例
ケースと例をセットで記載しているので、自分の実習ケースにあわせて参考にしてみてください。
ケース:乳児(6ヶ月)RSウイルス感染症(急性期)
咳嗽・多呼吸あり。酸素投与中で哺乳量が低下している
【実習目標例】
乳児期の発達段階と呼吸状態の特徴を理解し、安全・安楽を優先した看護の必要性を学ぶ
ケース:乳児(10ヶ月)先天性心疾患・術後(急性期)
循環動態が不安定で、全身管理が必要な状態
【実習目標例】
乳児の循環動態の変化と家族の不安を関連づけ、小児における術後看護の基本を理解する
ケース:幼児(3歳)肺炎(急性期)
点滴治療中。処置に対する恐怖が強く、泣いて拒否する場面が多い
【実習目標例】
幼児期の発達特性を踏まえ、処置時の恐怖を軽減する関わりと援助方法を理解する
ケース:幼児(5歳)急性胃腸炎
嘔吐・下痢があり、脱水予防のため点滴管理中
【実習目標例】
幼児期の身体的特徴を踏まえ、脱水症状の観察と年齢に応じた説明・援助を学ぶ
ケース:学童期(7歳)気管支喘息(慢性期)
吸入治療を行っているが、発作時の対応に不安がある
【実習目標例】
学童期の理解力を活かし、自己管理を促す看護の視点を理解する
ケース:学童期(9歳)ネフローゼ症候群(慢性期)
長期入院中で、安静や食事制限にストレスを感じている
【実習目標例】
慢性疾患をもつ学童期患児の心理的特徴と生活への影響を理解し、継続看護の重要性を学ぶ
ケース:学童期(11歳)骨折・ギプス固定
活動制限があり、学校生活への不安を訴えている
【実習目標例】
身体活動制限が学童期の心理・生活に及ぼす影響と看護の役割を理解する
ケース:思春期(13歳)1型糖尿病
血糖管理が不安定で、自己管理への抵抗感がある
【実習目標例】
思春期の自立性と疾患管理の特徴を理解し、本人の意思を尊重した支援の必要性を学ぶ
ケース:思春期(15歳)潰瘍性大腸炎
再燃による入院で、将来や学校生活への不安が強い
【実習目標例】
慢性疾患をもつ思春期患児の心理的負担を理解し、精神的支援の視点を養う
ケース:年齢共通 付き添い家族あり
保護者が常時付き添い、育児や治療に不安を抱えている
【実習目標例】
患児だけでなく家族を含めた小児看護の特徴と支援のあり方を理解する
実習目標を立てるときのポイント
看護実習の目標は、何となく決めるのではなく実習目的・学びたい内容・自分の課題を踏まえて設定することが大切です。特に小児看護学実習では、疾患や治療だけでなく、発達段階・家族の関わり・子どもの権利や思いを踏まえた目標設定が重要になります。
ここでは、実習目標を立てるときに意識したい3つのポイントを紹介します。
シラバスや実習要項から、実習の目的と目標を確認する
実習目標を立てる際は、まずシラバスや実習要項に記載されている目的と目標を確認することが最重要ポイントです。
小児看護学実習は、子どもの成長発達や家族を含めた看護を学ぶことを目的としており、学校が定めた教育目標に基づいて実施されています。そのため、個人の興味や不安だけをもとに目標を設定すると、実習で求められている到達度とかけ離れてしまうことがあります。
例えば、小児看護学実習では、以下の点が重要視されることが多いです。
- 子どもの成長発達段階を踏まえて状態を理解できること
- 疾患や治療が子どもの生活や発達に与える影響を考えられること
- 年齢や発達に応じた安全で安心できる関わりを実践できること
- 子どもの言動や反応から非言語的なサインを読み取れること
- 家族の思いや役割を理解し、家族を含めた看護を考えられること
このような目的があるにも関わらず、「子どもと上手に話せるようになりたい」「小児看護に慣れたい」といった個人的な希望だけで目標を立ててしまうと、実習の評価基準とズレが生じやすくなります。
まずは、シラバスや実習要項に書かれている「小児看護学実習で学生に求められている到達目標」を確認し、その枠組みに沿って自分の課題や学びたい内容を落とし込むことが大切です。そうすることで、指導者にも意図が伝わりやすく、評価されやすい実習目標につながります。
自分の課題・実習で学びたいことを確認する
実習目標は、自分の課題をどれだけ具体的に理解できているかによって、実践的な内容になるかどうかが大きく変わります。
小児看護学実習では、子ども自身だけでなく、発達段階や家族の関わりを含めて捉える必要があるため、自分の苦手意識やつまずきやすい点を整理しておくことが重要です。これまでの講義や演習、過去の実習を振り返ると、「小児のどの場面で戸惑ったのか」「何がうまくできなかったのか」が見えてきます。
例えば、以下のような点は、多くの学生が感じやすい小児看護特有の課題です。
- 年齢や発達段階に応じた観察ポイントを整理できず、重要な変化を見落としやすい
- 言葉で訴えられない子どもの反応をどう解釈すればよいか迷う
- 子どもへの声かけや関わり方に自信がない
- 保護者との関わり方や説明に不安がある
- 集めた情報をアセスメントにつなげることが難しい
このような自分の弱点は、そのまま実習目標を立てるための重要なヒントになります。自分の課題が曖昧なままだと、「小児看護について理解する」「子どもと関われるようになる」といった抽象的な目標になりやすく、指導者から見ても評価しにくい目標になってしまいます。
一方で、自分の課題を明確にできていると、「何を意識して行動すればよいか」がはっきりし、実習中に達成度を振り返りやすい、具体性のある良い実習目標につながります。
実習目的と自分の課題の共通点を見つける
良い実習目標を立てるためには「学校が求めている実習目的」と「自分自身の課題の共通点」を見つけることが欠かせません。この共通点を意識することで、単なる自己反省にとどまらず、実習全体の学びと結びついた、評価されやすい目標になります。
【実習目的】
子どもの成長発達を踏まえて、看護過程を展開できるようになること
【自分の課題】
年齢に応じた観察や情報整理が不十分で、アセスメントが浅くなりがち
この場合、両者の共通点は発達段階を意識した情報収集とアセスメントの質を高めることです。
小児看護では、同じ疾患や症状であっても、年齢や発達段階によって現れ方や必要な援助が大きく異なります。情報収集や解釈が不十分なままでは、適切な看護計画や関わりにつなげることができません。
そこで、この共通点を踏まえて実習目標を組み立てると
【実習目標例】
受け持ち患児の成長発達段階を踏まえて必要な情報を収集し、その根拠を明確にしながら看護計画を立てることができる
といったように、実習目的に沿いながら自分の課題も克服できる実習目標になります。この作業を行うことで、実習中に「何を意識して行動すればよいか」が明確になり、次に立てる行動目標にもつながりやすくなります。
実習目標の良い例・悪い例
同じテーマであっても、実習目標の書き方によって実習の質は大きく変わります。ここでは「小児の状態観察を学びたい」という同じテーマで、悪い例と良い例を比較してみましょう。上記3つのポイントを意識することで、どこを修正すべきかが明確になります。
テーマ:小児患者の状態観察を学びたい場合
【良い例】
受け持ち患児の年齢・発達段階を踏まえ、表情や行動、バイタルサインの変化を病態と関連づけて観察し、アセスメントと記録に反映できる
【悪い例】
小児の患者さんをしっかり観察する
良い例のポイント
「実習目的の確認」「自分の課題の把握」「共通点の抽出」の流れを意識して作られた目標は、指導者にも意図が伝わりやすく、実習の学びを深める良い実習目標と言えます。
- 観察対象が「表情・行動・バイタルサイン」と具体的で、行動レベルに落とし込みやすい
- 「年齢・発達段階を踏まえ」という表現により、小児看護特有の視点が明確になっている
- 言語的訴えが少ない子どもでも評価できる非言語的サインへの意識が含まれている
- 観察→解釈→記録という、看護過程の流れが明確に示されている
- 実習目的(成長発達を踏まえた観察、根拠に基づく判断)と一致している
- 実習終了時に、記録内容やアセスメントの妥当性で評価が可能
悪い例について
抽象的な表現だけの目標は、行動に落とし込むことができず、評価もできないため実習目標としては不適切です。
- 「しっかり観察する」という表現が抽象的で、具体的な行動がイメージできない
- 年齢や発達段階への視点が含まれておらず、小児看護の特徴が反映されていない
- 表情・行動・バイタルサインなど、どの観察項目を重視するのかが不明確
- 学校が求める実習目的(発達段階を踏まえた観察・看護過程の展開)とつながっていない
- 評価基準がなく、実習終了時に達成できたかどうか判断できない
行動目標の目標案と具体例
「実習初日」の行動目標と具体例
小児看護学実習の初日は、病棟環境や患児・家族との関係に慣れ、全体像を大まかに掴む日です。細かなアセスメントや高度な判断よりも、安全確保・発達段階の把握・安心できる関わりを優先し、今後の実習につながる土台を作ることが目的になります。
ケース:急性上気道炎(1歳・入院初日)
呼吸数や陥没呼吸の有無、解熱剤の使用状況を確認し、保護者から普段の様子も聞き取っておきましょう。
【行動目標】発熱や呼吸状態の概要と、現在の治療内容・安静度を把握する
ケース:肺炎(3歳・点滴治療中)
SpO₂の推移や呼吸苦の有無、点滴ルートの管理方法を初日に確認します。
【行動目標】発熱・咳・呼吸状態の変化と、点滴治療の流れを把握する
ケース:気管支喘息発作(5歳)
吸入薬の種類や使用タイミング、発作時の観察ポイントを整理しておきましょう。
【行動目標】喘鳴や呼吸状態の特徴と、発作時の対応・指示内容を把握する
ケース:虫垂炎術後1日目(6歳)
痛みの訴え方や表情、離床時の注意点を確認し、安全確保を優先します。
【行動目標】疼痛の程度と体動可否、術後管理の概要を把握する
ケース:ネフローゼ症候群(8歳・安静療法中)
体重測定の頻度や水分制限の有無など、生活制限の全体像を初日に確認します。
【行動目標】浮腫の部位や程度、安静度と治療方針を把握する
ケース:1型糖尿病(10歳・教育入院)
自己管理の進行状況や、保護者の関わり方もあわせて把握しましょう。
【行動目標】血糖測定・食事・インスリン投与の1日の流れを理解する
ケース:骨折(学童期・保存療法)
移動時の介助量や禁止動作を確認し、事故防止につなげます。
【行動目標】疼痛の程度と、動作時の注意点・安全確保のポイントを把握する
ケース:慢性疾患(思春期・再燃入院)
年齢特有の自立心や心理的反応にも目を向け、関わり方を考えます。
【行動目標】全身状態と治療内容、本人の病気に対する理解度を把握する
ケース:発熱・脱水(2歳)
保護者から普段の飲水量や排尿回数を聞き取り、脱水リスクを確認します。
【行動目標】全身状態と水分摂取量・排尿状況を把握する
ケース:初めての入院(4歳・検査目的)
泣きやすさや表情、好きな遊びを確認し、信頼関係づくりにつなげます。
【行動目標】入院環境への反応と不安の程度、安心できる関わり方を把握する
「看護計画を立てる前」の行動目標と具体例
看護計画を立てる前の実習では、「観察・把握・情報整理」が中心となり、実際の援助に入る前段階として「患児と家族をよく知ること」が主な目的になります。そのため行動目標は、「〜を把握する」「〜を理解する」「〜を整理する」など、情報収集と安全管理を意識した表現で設定します。
ケース:急性上気道炎(1歳)
呼吸数、陥没呼吸、SpO₂の推移、解熱剤使用の有無などを事実ベースで整理し、看護計画立案の基礎情報とします。
【行動目標】発熱や呼吸状態の特徴、治療内容と安静度の根拠を整理する
ケース:肺炎(3歳・点滴治療中)
症状の推移、酸素投与の有無、抗菌薬投与の目的を整理し、看護問題につながる情報を明確にします。
【行動目標】発熱・咳・呼吸状態の経過と点滴治療の目的を把握する
ケース:気管支喘息発作(5歳)
発作の誘因、吸入薬の種類・回数、SpO₂の変動を整理し、悪化サインを明確にします。
【行動目標】喘鳴や呼吸困難の出現状況と、発作時対応の指示内容を整理する
ケース:虫垂炎術後1日目(6歳)
痛みの部位や強さ、体動時の反応を把握し、離床に向けた観察ポイントを明確にします。
【行動目標】術後の疼痛の特徴と体動制限の理由を整理する
ケース:ネフローゼ症候群(8歳・安静療法中)
数値や観察所見を整理し、病態と結びつけて看護計画の基礎情報とします。
【行動目標】浮腫・体重変化・尿量などの状態と安静療法の目的を把握する
ケース:1型糖尿病(10歳・教育入院)
血糖値の推移、インスリン投与方法、食事内容を把握し、教育支援につなげます。
【行動目標】血糖管理の現状と、患児・家族の理解度を整理する
ケース:骨折(学童期・保存療法)
どの動作で痛みが強くなるかを把握し、安全な生活援助の方向性を考えます。
【行動目標】疼痛の特徴と日常生活動作への影響を整理する
ケース:慢性疾患(思春期・再燃入院)
心理的反応や自立度にも注目し、思春期特有の特徴を踏まえて情報を整理します。
【行動目標】症状の経過と治療内容、患児の病気に対する受け止め方を整理する
ケース:発熱・脱水(2歳)
保護者からの情報も含め、脱水リスクにつながる要因を整理します。
【行動目標】水分摂取量・排尿状況・全身状態を整理する
ケース:初めての入院(4歳・検査目的)
表情や行動、言動から不安の程度を整理し、安心できる関わりにつなげます。
【行動目標】入院環境に対する反応と不安の要因を整理する
「看護計画を立てた後」の行動目標と具体例
看護計画立案後は、計画に基づいた援助の実施と評価が中心となります。実際に関わりながら、患児の反応や変化を観察し、計画の妥当性を評価・修正していく段階です。
ケース:急性上気道炎(1歳)
ケア前後の呼吸数や表情を観察し、安楽が得られているかを確認します。
【行動目標】呼吸状態に配慮したケアを実施し、発熱や呼吸の変化を評価する
ケース:肺炎(3歳)
体位調整や安静確保後の呼吸状態を確認し、ケアの効果を評価します。
【行動目標】呼吸を楽にする援助を行い、症状の変化や治療効果を評価する
ケース:気管支喘息発作(5歳)
吸入前後の呼吸状態を比較し、安全に発作対応ができているかを確認します。
【行動目標】吸入援助を行い、喘鳴や呼吸困難の改善状況を評価する
ケース:虫垂炎術後1日目(6歳)
離床時の表情や訴えを観察し、介助方法の妥当性を評価します。
【行動目標】疼痛に配慮した離床介助を行い、疼痛緩和効果と安全性を評価する
ケース:ネフローゼ症候群(8歳)
活動量と状態変化を関連づけて評価し、必要時は計画の修正を検討します。
【行動目標】安静療法を守りながら関わり、浮腫や全身状態の変化を評価する
ケース:1型糖尿病(10歳)
説明後の反応や行動を観察し、指導内容の適切さを評価します。
【行動目標】血糖測定や自己管理支援を行い、患児の理解度と実践状況を評価する
ケース:骨折(学童期)
動作時の表情や痛みの訴えから、介助方法を評価・調整します。
【行動目標】疼痛に配慮した動作介助を行い、安全性と疼痛軽減効果を評価する
ケース:慢性疾患(思春期)
言動や態度の変化を通して、関わりの影響を振り返ります。
【行動目標】患児の思いを尊重した関わりを行い、心理的変化を評価する
ケース:発熱・脱水(2歳)
尿量や活気の変化を確認し、援助の効果を評価します。
【行動目標】水分摂取援助を行い、脱水症状の改善状況を評価する
ケース:初めての入院(4歳)
表情や行動の変化から、安心して過ごせているかを評価します。
【行動目標】遊びや声かけを通して関わり、不安軽減の程度を評価する
行動目標を立てるときのポイント
実習目標を踏まえる
行動目標は、実習目標を達成するための「その日の学びの一歩」です。小児科実習では、子どもの成長発達段階や家族との関わりを踏まえながら、安全で安心できる看護を実践する力が求められます。そのため、まずは実習全体で示されている到達目標を正しく理解することが重要です。
小児科実習の実習目標には、「年齢や発達段階に応じた観察ができる」「子どもと家族を一体として捉える視点を身につける」「安全に配慮した看護が実践できる」などが含まれていることが多くあります。行動目標は、これらの目標の一部を、具体的な行動として切り出したものです。
実習目標を踏まえずに行動目標を立ててしまうと、「子どもと関わること」自体が目的になってしまい、学びが曖昧になることがあります。まずは「この小児科実習で、どのような力を身につけることが求められているのか」を確認し、そのうえで「今日はどの視点を意識して関わるのか」を考える ことで、実習全体とつながった行動目標を設定することができます。
評価可能な目標にする
行動目標は、「何を・どのように行ったのか」が明確に評価できる表現で書くことが大切です。小児科実習では、「子どもをよく観察する」「安全に関わる」などの表現になりやすいですが、これらは具体性に欠け、達成度を判断することができません。
そのため、5W1Hを意識し、観察項目や関わり方、記録・報告まで含めた目標設定を行うことが重要です。例えば、「どの年齢の子どもに」「どの場面で」「どのような反応や行動を」「どのように観察するのか」を明確にすることで、評価可能な行動目標になります。
また、小児科実習では、子どもの反応だけでなく、保護者の関わり方や不安の表出なども重要な観察対象です。観察→判断→記録→報告という看護の流れを意識して目標を立てることで、実習で求められる学びが整理されます。
個別性を盛り込む
行動目標には、必ず「その子どもと家族の状況」を反映させることが重要です。小児科では、年齢や発達段階、病状、入院環境への適応状況によって、必要な看護が大きく異なります。個別性を盛り込むことで、どの子どもにも当てはまる目標ではなく、「今、この子どもに必要な行動」が明確になります。
個別性を入れるためには、以下の視点を目標文に含めることがポイントです。
- 年齢・発達段階
- 疾患や入院目的
- 現在の治療内容
- 安全上のリスク
- 保護者の関わりや不安の程度
これらを踏まえて行動目標を立てることで、観察や援助の方向性が具体化し、実習中も「何を見るべきか」「どのように関わるべきか」が整理されます。
行動目標の良い例・悪い例
同じ内容に対して、良い例と悪い例を示します。ケースごとに確認してみましょう。
ケース:気管支喘息で入院中の幼児(吸入治療中)の場合
【実習目標】
小児の呼吸状態と治療への反応を観察し、年齢・発達段階に応じた安全な看護を実践できる力を身につける
【行動目標:良い例】
吸入治療中の気管支喘息患児(幼児)について、呼吸数・喘鳴・努力呼吸の有無を観察し、治療前後の変化を記録して指導者に報告する
【行動目標:悪い例】
- しっかり観察する
- 子どもの様子を見る
- 呼吸状態を確認する
良い理由
- 実習目標(呼吸状態の観察と治療への反応評価)と連動している
- 観察項目が具体的で、評価可能である
- 気管支喘息・吸入治療中・幼児という個別性が盛り込まれている
- 記録・報告まで含まれており、行動のゴールが明確である
悪い理由
どれも曖昧な表現で、何をどのように観察したのかが評価できません。また、実習目標とのつながりが弱く、年齢や治療内容といった小児科ならではの個別性も含まれていません。
看護実習目標が必要な理由
小児科実習は、「子どもと関わる経験」が印象に残りやすい実習ですが、目標がなければ学びが感覚的なものに留まりやすくなります。だからこそ、最初に「どのような力を身につけたいのか」を明確にすることが大切です。
看護実習目標があることで、以下のような効果が得られます。
- 実習中の行動の方向性が明確になり、迷いが少なくなる
- 観察すべきポイントの優先順位がつけやすくなる
- 子どもと家族を見る視点が広がり、看護の質が高まる
- 自己評価がしやすくなり、成長を実感しやすい
- 指導者から具体的で適切なフィードバックを受けやすくなる
実習目標は、小児科実習を「ただ楽しかった」「大変だった」で終わらせず、確実に看護の力へとつなげるための指針になります。
行動計画・行動目標の立て方
目標設定は、看護過程と同じく「アセスメント→計画→評価」のサイクルです。最初から完璧な行動目標を立てる必要はありません。実習を通して得た気づきをもとに、少しずつ修正しながら、自分の学びたいことを具体的な行動に落とし込んでいきましょう。
小児科実習では「子どもの反応」「安全への配慮」「家族との関わり」といった視点を意識して目標を立てることが学びを深めるポイントになります。
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