DMATとは、看護師2名・医師1名・業務調整員1名の4名を基本とするチームが編成され、被災都道府県からの要請を受けて災害急性期(約48時間以内)に駆け付けて活動する災害派遣医療チームです。時には厳しい現場で活動することもあります。
チームで短期・集中的に救助活動を行えるように専門的な訓練を受けていて、機動性を持っています。平成7年に起きた「阪神・淡路大震災」での初期医療体制の遅れの教訓を生かし発足されました。

~現場で人命救助!DMATと災害支援ナース~
DMATとは、看護師2名・医師1名・業務調整員1名の4名を基本とするチームが編成され、被災都道府県からの要請を受けて災害急性期(約48時間以内)に駆け付けて活動する災害派遣医療チームです。時には厳しい現場で活動することもあります。
チームで短期・集中的に救助活動を行えるように専門的な訓練を受けていて、機動性を持っています。平成7年に起きた「阪神・淡路大震災」での初期医療体制の遅れの教訓を生かし発足されました。
大規模災害時などに派遣されたDMATの活動終了の目安は、保健医療活動チームや地域の医療資源が確保されて、組織的な支援が行われていることとされています。被災地の状況によっては活動期間の延長や第2隊、第3隊や、DMATロジスティックチーム(※)が追加で派遣されることもあります。
※DMAT隊員のうち「DMATロジスティックチーム隊員養成研修」修了者で構成される、 都道府県庁や被災地域に設置される医療活動本部業務において、情報収集・分析や医療チームの指揮調整などの本部活動を行う専門のチームのこと
DMATが災害急性期(48時間以内)に派遣される一方で、災害支援ナースは災害発生後に「災害支援ナース」に登録されている看護師の派遣調整が行われ、災害発生から3日後~1ヶ月を目安に長期的に派遣されます。個々の災害支援ナースの派遣期間は原則として移動時間を含めた3泊4日とされています。
災害支援ナースの看護支援活動は、被災地のニーズに応じて自立的に判断し柔軟に看護活動を実践するとともに、自分の生活や健康管理は自身で責任をもって管理することが求められます。
現地調達をしない自己完結型の医療救護を基本とする点はDMATと災害支援ナースに共通します。
令和6年度から災害支援ナース制度が新しくなります。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、2022年12月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第96号)が成立され、災害支援ナースの派遣・養成・登録の仕組みも法制化されました。
新たな制度では自然災害だけでなく、新興感染症も派遣対象となります。
これまでの災害支援ナースの活動は個人が勤務先の病院に休暇を出して行う「ボランティア」でしたが、医療機関に勤務する災害支援ナースをDMATやDPATと同様の「災害・感染症医療業務従事者」と位置づけて、都道府県・医療機関の協定に基づく業務とし、在籍出向とすることで公的に実費を負担して、安心して活動できる環境を整備するとしています。
※都道府県の調整により医療機関以外に勤務する看護師、潜在看護師もすべて在籍出向で応援派遣される
引用:日本看護協会による 自然災害、感染症支援に係る看護職の応援派遣体制の概要
DMATの主な役割は、災害急性期における重症患者の広域医療搬送、病院支援、域内搬送、現場活動などです。DMATの看護師は、医師の診療補助・患者の身体ケアだけでなく、心のケアやDMATメンバーの体調管理に気を配る役割も担います。
医療や介護が必要な方へのケアや、避難所での支援物資の提供、環境整備などを行います。被災した現地の看護職の心身の負担を軽減して支える役目があるほか、被災者の健康レベルを維持するために適切な医療看護を提供します。災害支援ナースが活動する場所は、被災した医療機関・社会福祉施設・避難所(福祉避難所を含む)が優先されます。
災害拠点病院に勤務する看護師が対象となります。DMATを統括する国立病院機構災害医療センターで4日間(※)の日本DMAT隊員養成研修を受け、合格することが必要です。
※一定の質が確保された都道府県主催の研修を修了した場合は2.5日間の研修(一部の認定された都道府県のみ)
5年ごとに更新があり、その間に「DMAT地方ブロック訓練」に2回以上の参加が義務付けられています。
令和6年度以降の新たな災害支援ナース養成研修では、5年以上の実務経験があり、厚生労働大臣から委託を受けた者(以降、都道府県看護協会などとする)が実施する「災害支援ナース養成研修」を受講し、オンデマンド研修20時間+演習2日間(災害・感染症)を修了する必要があります。5年ごとに更新研修があります。
研修修了者は都道府県看護協会などによってリスト化されたのち、都道府県に提出され「災害・感染症医療業務従事者」として登録されます。
医療機関で働く災害支援ナースが「災害・感染症医療業務従事者」に位置づけられる令和6年度からは、研修は個人ではなく在籍している「施設単位」での申し込みが必要となります。
※2018年度から2022年度までにこれまでの災害支援ナース養成研修棟・更新研修の受講者はオンデマンド研修の講義を希望により一部免除できます
※日本看護協会により新たに構築された、自然災害、感染症支援に係る看護職の応援派遣体制の仕組み
厳しい災害現場で冷静さを保ち、医療チームの一員として連携して動ける人
いつ起こるか予測できない災害に対して、日々さまざまな鍛錬ができる人
DMATや災害支援ナースは、災害時以外は病院に勤務しています。そのためDMATや災害支援ナースの給与は、一般的な看護師の給与と大きな差がありません。
2022年の看護師の平均年収は508万円です。(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」)災害派遣時の日当、超過勤務手当、旅費などは都道府県から支給されます。労働時間が長くなる分、給料が高くなることはあります。