【質問内容に困ったら】看護のインターンシップで聞いておきたいこと【例文】

病院のインターンシップで、何を質問すればいいか分からない看護学生の方もいますよね。
そこで、病院への質問例をいくつかご紹介します。実際に病院からどんな回答をもらえるか、回答例を見て確認してみましょう。
いま思い浮かばなくても質問したほうがいい?
積極的に質問しましょう。積極的に質問するということは、「私は貴院に興味があります。」という意思表示と受け取ってもらえ、病院側に好印象を与えることができます。
いまは思い浮かばなくても、実際にインターンシップに参加することで疑問に思うことや確認しておきたいことが出てくるはずです。些細なことでもよいので、インターンシップ中に思いついた質問はメモしておくと良いでしょう。
職場環境についての質問例
職場環境について質問することで、その病院の働きやすさを知ることができます。社会人として一歩を踏み出す上で、働きやすさは重要視したいところです。「看護師」に対する質問ではなく、その「病院」に対する質問であるため、働きたいという意欲を伝えるチャンスにもなります。
面談など働いている職員の意見を聴取する機会はありますか。
定期的なアンケート調査や面談など、職員の意見を病院で共有する機会があるか確認しておきましょう。定期的に実施していることで、働いている職員の意見を知ろうとし、より良い職場環境づくりに努めてくれているかわかります。
例えばこんな回答!
- 目標面談は師長が必ず年に3回以上行います。その他外部のカウンセラーが新人3ヶ月目あたりに話を聞いてくれます。(東京都の高度急性期病院)
- 説明会では、病棟の見学時に働いているスタッフと少し話をしたりする時間があります。(千葉県の高度急性期病院)
- 各部署の所属長(師長・主任)が定期的に面談をしています。それ以外にもスタッフの様子を見ながら必要に応じて面談をしています。内容によって、私(看護部長)も面談を実施しています。面談というかしこまった形式でなくても、所属長に相談ができる環境だと感じています。私自身も院内で声をかけられて相談や意見を聞くこともあります。(千葉県のケアミックス病院)
看護師の平均勤続年数はどのくらいですか?
長く勤めている職員が多ければ、働きやすい職場であることがわかります。福利厚生も整っているでしょうし、ライフステージの変化があっても働きやすいということがわかります。
例えばこんな回答!
- 4年です。(東京都の高度急性期病院)
- 平均勤続年数は6年です。(千葉県の高度急性期病院)
- 約8年です。(千葉県のケアミックス病院)
新人看護師の離職率は何%くらいですか
新人離職率には、新人を大切に育ててくれるかも少なからず反映されています。可能であれば、インターシップで離職率について聞いてみることをおすすめします。
日本看護協会では、毎年看護職員の離職率を算出しています。2022年度の離職率は10.3%でした。この数値を基準に高いか低いかを判断してみましょう。
貴院の働きやすいと思う点を教えてください。
実際に職員の働きやすいと感じる点を知っておくことで、働く病院を選ぶ基準になります。現場の生の声を聞くチャンスです。
例えばこんな回答!
- 人間関係がいい、地下鉄駅直結で通勤の便がいい、他職種間の風通しがいいところです。(東京都の高度急性期病院)
- 医師が看護師の働きやすさに配慮してくれ、診療部長会議で看護師の負担について話し合いがあります。また、医師と看護師でカンファレンスがなされており、患者さまの治療方針等を話し合っているところです。(千葉県の高度急性期病院)
- アットホームな職場環境です。看護師だけでなく多職種も含め職員同士の距離も近いです。そのため多職種連携もスムーズです。(千葉県のケアミックス病院)
働いていて良かったと思う瞬間はありますか。
満足度ややりがいを知ることで、職員ひとりひとりが意欲的に働くことができる職場であるのかわかります。同時に、自身が看護師として働きたいという気持ちの後押しもしてくれます。
例えばこんな回答!
- 急性期病院ですので、病気を発症し回復していく姿を医療者の中で一番近くで患者さまを支えていけるところです。(千葉県の高度急性期病院)
- 患者さんや家族から「この病院に来て良かった」と言っていただいた時は、とても嬉しく看護師としてのやりがいも感じます。そして何より、「頑張ろう」という力になります。管理者としては、看護師の成長している姿や懸命に働いてくれている姿に喜びと感謝の気持ちでいっぱいになります。看護師一人ひとりがやりがいを持って働ける環境づくりをしようと奮起させられます。(千葉県のケアミックス病院)
看護師の仕事についての質問例
仕事内容について質問することで、今後その病院で看護師として働くことが想像しやすくなります。自分が行ってみたい看護がその病院で行われているのかも確認することができます。
(配属希望先)の看護師の1日のスケジュールを教えてください。
希望とする配属先のスケジュールを知ることで、今後働く上での想像がしやすくなるとともに、どのようなことを学んでおくと生かすことができるのかを知ることができます。
インターンシップで実際に見た看護師のスケジュールと元々のスケジュールを照らし合わせることで、その看護師がどのように優先順位を立てて動いていたのかを考察する機会にもなります。
例えばこんな回答!
- 出勤→情報収集(受け持ち患者数やスピードにより出勤時間は変わります。30分くらい前?)→申し送り→患者挨拶・ラウンド→点滴・処置・清潔ケア→外科系ならOPE出し→食事前のケア→昼食の配膳→休憩→午後の患者ラウンド→処置・点滴→記録→申し送りとなっています。(千葉県の高度急性期病院)
- 病棟の勤務について
8:30 | 申し送り・チームミーティング |
---|---|
9:00 | 受け持ち患者さんへの挨拶 |
10:00 | 検査・処置・ケア・バイタル測定・入退院・転出入の対応など |
11:30 | 血糖チェック・経管栄養・昼食準備 |
12:00 | 配膳・食事介助・与薬 ★11:30~13:30 交代で昼食 |
13:30 | カンファレンス |
14:00 | 受け持ち患者さんの状態観察や処置・ケア |
16:30 | 夜勤者への引継ぎ |
17:00 | 業務終了 |
〈夜勤 16:30~翌9:00〉
16:30 | 申し送り |
---|---|
17:00 | 受け持ち患者さんへの挨拶 |
17:30 | 血糖チェック・経管栄養・夕食の準備 |
18:00 | 配膳・食事介助・与薬 ★18:30~20:00 交代で夕食 |
19:00 | バイタル測定・点滴・処置 |
20:00 | オムツ交換 |
21:00 | 消灯 |
21:00 ~6:00 | 巡視・記録・排泄介助(オムツ交換・トイレ誘導)など ★交代で仮眠・休憩 |
6:00 | バイタル測定 |
7:00 | 血糖チェック・経管栄養・朝食の準備 |
8:00 | 配膳・食事介助・与薬 |
8:30 | 申し送り・日勤者への引継ぎ |
9:00 | 業務終了 |
看護方式を教えてください。
看護方式によって仕事の仕方や内容が大きく変わってくることがあります。その病院の看護方式を知っておくことで、働いてからのギャップは少なくなりますし、やりたい看護方式がある人は働く病院を選ぶ基準にもなります。
例えばこんな回答!
- 固定チームナーシングです。(東京都の高度急性期病院)
- 固定チームナーシングです。(千葉県の高度急性期病院)
- 固定チームナーシングです。一部、機能別看護を併用している部署もあります。(千葉県のケアミックス病院)
多職種と連携する機会はありますか。
チーム医療がしっかり機能している病院で働くことで、多職種との連携を学ぶことができます。連携をしやすい環境づくりが整っているのか確認しておきましょう。
例えばこんな回答!
- 沢山あります。退院支援時などに地域連携室のMSWなどと密に連携を取り外部の社会資源を利用するためにケアマネジャーや施設と連携を取ります。日々の病棟業務ではリハスタッフや薬剤師、栄養士などとそれぞれの視点からカンファレンスをし情報共有をして、治療や、治療後の患者さんの支援をしています。(東京都の高度急性期病院)
- 連携はたくさんあります。リハビリ:退院に向けての合同カンファレンス 栄養士:食事摂取が進まない患者様の相談 ME:人工呼吸器等の相談、透析室での連携 MSW:退院支援時の話し合いといった連携を行っています。(千葉県の高度急性期病院)
- 当院は急性期から回復期、在宅までの医療・看護を提供するケアミックス病院なので、院内での多職種連携はもちろん、ケアマネや施設、行政など地域との連携も重要です。(千葉県のケアミックス病院)
就職活動のヒントになる質問例
その病院がどのような看護師を求めているのかを知っておくと、就職活動の際に自分を上手にアピールすることができ有利になります。
どのような看護師を求めていますか。
病院側が求めている看護師像を知っておくことで、面接時に「このようなことに貢献できます」や「このような経験があります」と自分をアピールすることができます。また、病院が求めている看護師像と自分が理想とする看護師像を照らし合わせることで、働きたい病院を見つけることができます。
例えばこんな回答!
- 空回りでもいいから患者さんの為になりたいと強く思う人を求めています。(東京都の高度急性期病院)
- ご自身の考えを相手に伝えることのできる看護師を求めています。(千葉県の高度急性期病院)
- 素直で自分を謙虚に受け入れられる人、人も自分も大切にできる人。看護師は、病気を抱えた患者さんとその家族に寄り添い看護を提供するので、心も身体も元気な人。(千葉県のケアミックス病院)
入職までに勉強しておいたほうがいいことはなんですか。
意欲をアピールすることができるとともに、病院側が入職者にどのようなことを求めているのか探ることができます。(知識面なのか技術面なのか等)病院側が求めていることに合わせて「このようなことができます」と面接でアピールしてみましょう。
例えばこんな回答!
- コミュニケーション術を学んでおくと良いですよ。(東京都の高度急性期病院)
- 特にありません。学生生活は社会人になると経験できませんので、十分に楽しんできて欲しいです。入職してからゆっくり勉強しましょう。(千葉県の高度急性期病院)
- もちろん学生時代に学ぶすべての知識・技術は大切ですが、すべての基本になる解剖生理はきちんと理解しておいた方がいいです。(千葉県のケアミックス病院)
配属先はどのように決められますか。
配属先の希望がどのくらい通るのか知ることができます。学びたい科がある人は特に希望が通るかは重要になってきます。
例えばこんな回答!
- 希望を聞いてできるだけ添うようにしたいと考えています。(東京都の高度急性期病院)
- 内定後、11月頃にお手紙で希望する診療科のアンケートをとります。ご希望を優先し配属先を決定します。入職後、師長と面接を繰り返しながら成長していきますが、その時に配置換えが妥当と思われ、お互いが一致した場合は看護部で検討します。(千葉県の高度急性期病院)
- 基本的に希望の部署への配属としています。人数によって第一希望でない部署になることもあります。(千葉県のケアミックス病院)
病院の魅力だと感じていることはありますか。
病院の特色やいいところを知ることができ、就職先を決定するヒントになります。また、職員が病院に対して魅力を感じていることは良い病院であるといえます。
例えばこんな回答!
- コンパクトで動線がいいところ、スタッフの挨拶が気持ちいいところです。(東京都の高度急性期病院)
- スタッフが穏やかで優しいところ。そして、なにより患者さんにとてもやさしいところです。(千葉県の高度急性期病院)
- チームワークの良さとアットホームな環境です。患者さんに寄り添う看護を実践するためには、患者さんを支える仲間の力が不可欠です。当院では、スタッフがお互いに協力しあう姿が見られます。また、他部署とのコミュニケーションもスムーズに取れていると実感しています。(千葉県のケアミックス病院)
福利厚生や教育制度に関しての質問例
福利厚生は今後長く勤めていくうえでとても大切になってきます。ライフステージの変化があっても働き続けることができる福利厚生があるかどうか知っておく必要があります。
また、新人や中途採用者として配属された後、働きやすいサポート体制が整っているかとても気になりますよね。自分の看護師としての成長にも繋がりますし、精神面の問題にも直結してきますので確認しておきましょう。
配属先での新人や中途採用者に対するサポート体制を教えてください。
サポートがしっかり行われている職場かどうか知ることで、わからないことや困ったことがあった時にすぐに質問・相談できる環境であるか知ることができます。
サポート体制が整っているということは、教育に回せるくらいに職員数が充足していることにもなります。
例えばこんな回答!
- 新人には必ず、中途採用者にはその人の背景に合わせてプリセプター、エルダーなどがサポートで着きます。(東京都の高度急性期病院)
- 一般的に広く知られているプリセプターのような役割のもつ先輩看護師「ガイド」がつきます。進んでいく道を案内するという意味です。教育プログラムはラダー制度を取っており、循環器に強い病院ですので循環器系の研修も充実しています。現場教育も、ガイドと教育委員を中心に、看護実践に繋がる教育を行っています。(千葉県の高度急性期病院)
- 新人看護師の教育については、各部署の新人教育担当者を中心にチームで育てるスタイルを取っています。集合研修で、基礎的な知識と技術の確認と習得をし、配属部署では教育担当者もしくはチームの先輩看護師とパートナーを組みOJTを中心に病棟の特殊性に合わせた看護を習得していくという教育体制です。(千葉県のケアミックス病院)
産休・育休明けの職場復帰率はどのくらいでしょうか。
産休・育休明けの復帰率が高ければ、ライフステージの変化に合わせて働きやすい病院であることがわかります。長く勤めていくためには産休・育休後の働きやすさは大切な情報になってきますので確認しておくと良いでしょう。
先を見据えた質問で長く勤める意思があることも伝えることができます。
例えばこんな回答!
- 毎年30名ほどが育休に入り、2名ほどが退職となりあとのママさんは復帰してきます。また、パパの育休も4~5名が入ります。(千葉県の高度急性期病院)
- ほぼ100%復帰していますが、転居による通勤困難が理由で復帰せず退職した例がありました。(千葉県のケアミックス病院)
資格取得や研修などスキルアップに対する制度はありますか。
職員が学びたいことに対する支援がある事は学ぶ意欲に繋がります。また、看護師として成長できる職場であるか知ることができます。
例えばこんな回答!
- 認定看護師になる支援やグループ共通の研修などもそろっています。(東京都の高度急性期病院)
- スペシャリストとしては、認定看護師・専門看護師・診療看護師になるための支援制度があります。教育関連ですと、臨地実習指導者の研修参加支援があります。(千葉県の高度急性期病院)
- 当院にとって今後さらに役割を持って活躍してもらえる人材を応援するため、資格取得や研修などスキルアップを目指す看護師をサポートする制度があります。(千葉県のケアミックス病院)
ワークライフバランスを実現するために取り組まれていることはありますか。
病院全体で実現するために取り組んでいる事があるか確認することで、働きやすさや職員の働き方を大切にしてくれているかわかります。
例えばこんな回答!
- 残業時間の削減、有給取得率の向上、また、自由に使える一定期間の休職制度があります。語学留学や趣味の資格取得など人生楽しむための休職制度です。勤続年数などの要件はありますが自分のために使える休職期間です。(東京都の高度急性期病院)
- 入職時の有休発生前に季節休の取得が可能です。夏休みを確保することができます。定時上がりを目標に、声をかけあい協力体制を整えています。忙しいママさんが昼食を作らなくてもいいよう、食堂のメニューが充実しています。(千葉県の高度急性期病院)
- ライフステージに合わせた働き方でできるように勤務形態の変更をし、継続して働けるように対応しています。勤務表を作成する際に、毎月2回の連休を組み込むようにしています。できるだけ土日と平日のそれぞれ1回ずつになるようにしています。また、当院の有給取得率は、ほぼ100%です。計画的に有給を組み込んだ勤務表を作成し、できるだけ連休が取得できるようにしています。(千葉県のケアミックス病院)
質問内容は合同説明会や病院見学会でも有効!
ご紹介した質問例は、病院に質問するタイミングがあればインターンシップ以外の場でも使えます。病院見学会や合同説明会といった機会に質問してみましょう。
病院が個別に開催している病院説明会のオンライン版もあります。自宅から参加できる分、インターンシップや合同説明会よりも気軽に参加できますので、積極的に参加して質問しましょう。
インターンシップの基本を押さえよう!
質問内容がまとまったら、インターンシップの基本をあらためて押さえておきましょう。
下記の記事では、インターンシップでやることや、参加した際のチェックポイント、参加前・当日の注意点をご紹介しています。基本を再確認して、事前準備を万全にしましょう。