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周手術期看護実習で学んだことは?レポートにまとめるポイント

看護実習
更新日 公開日

周手術期看護実習が終わった後に、レポートをどのようにまとめるか悩みますよね。周手術期看護実習で学んだことを振り返りながら、簡単にレポートにまとめるためのポイントを確認しましょう。

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周手術期看護実習とは

周手術期看護とは、手術の決定から、術前準備、術中、術後回復するまでに関わる看護のことをいいます。
急性期の状態にある患者さまが、治療が必要な状態から速やかに回復する過程の看護を臨床で学ぶことが実習の目的です。

周手術期看護実習では、数日で退院される患者さまもいます。数日で多くを学ぶため、理解や勉強が追い付かずに看護展開が大変だと思う学生が多いです。
点滴や酸素、硬膜外麻酔、ドレーン、フォーレなどで治療している患者さまの状態を初めて見たのではないでしょうか。

手術は侵襲が大きく、麻酔の影響や多くの合併症のリスクがあります。治療や病態生理に加えて、さまざまな不安を抱えている患者さまの理解が大切です。
術前準備や麻酔の影響と術後合併症の理解、術後の観察とアセスメント、合併症予防、疼痛コントロール、退院指導など、看護の実際を学びましょう。

周手術期看護実習で学べること

周手術期では、術前準備や術後の管理からリスクの予測や予防の視点を深く学ぶことができます。実習のポイントや学べる内容を詳しくお伝えします。

患者さまの不安

手術が患者さまに与える、身体的・精神的・社会的影響を理解しましょう。手術の痛みや傷、合併症について心配される患者さまはとても多いです。
会社や学校、部活動を長く休む必要がある、家族と会えなくなるなど、私生活への影響を不安に思う患者さまもいます。
患者さまの不安を理解し寄り添うことや、疑問を解決して不安を軽減する関わりを学ぶことができます。

術前オリエンテーション

手術が予定通り行えるように、クリティカルパスに沿って手術前後の流れを説明します。必要物品や手術室の場所、飲食の制限、術後どのような状態で病室に戻ってくるのかといった具体的な内容を伝えます。
看護師は患者さまの理解度を把握し、疑問が解決できるように関わることが大切です。

「当日朝〇時までは、水分摂取可能」「弾性ストッキングと手術着を着用して体重を測る」などの当日の予定も分かりやすくお伝えします。
どれか一つでも準備に不備があると、手術が予定通り行えなくなる可能性があります。約束を守ってもらうために、なぜ必要なのか説明できるよう根拠を理解しておきましょう。

「いつ歩けるのか」「点滴やドレーンはいつ外せるのか」「どのくらい痛いのか」この3点は疑問に思う患者さまが多いので、イメージを掴みやすいようにお伝えすることが大切です。

術後の状態を初めて見る学生も多いので、患者さまへ説明することは難しいかもしれません。写真や映像を見てイメージできるように勉強しましょう。
患者さま向けの説明用紙やクリティカルパスが病棟にあるはずなので、看護師に申し出ることをおすすめします。

看護師は患者さまの様子から、術後合併症リスクも判断しています。何に注意して説明すべきなのか、患者さまの反応からどんなリスクが想定できるのかを学ぶことができます。

術後合併症リスクの予測と予防

順調に回復するためには、合併症予防が重要です。術前から術後呼肺合併症予防として、ピークフローによる呼吸訓練咳嗽の指導を開始します。
術後は安全な離床の援助疼痛コントロール創傷処置を行います。それぞれの援助の根拠を理解しましょう。

術後はバイタルサインの変化が起こりやすく、術後合併症の早期発見のためにも観察とアセスメントが必須です。
全身麻酔の影響や術後合併症について十分理解し、患者さまの個別性と絡めてリスクの高い合併症を予測しながら全身管理を行っています。

麻酔の影響や術後合併症の原因と観察項目に加えて、予測しながらアセスメントすることの重要性や、看護師の役割について学ぶことができます。

退院指導

退院後の生活を送るにあたっての注意点を説明します。「熱が〇度以上になったら受診してください」「飛行機は〇日くらい避けてください」など、手術部位によってお伝えする内容も異なります。
「仕事や部活はいつから始めていいのか」「修学旅行に参加してもいいか」など患者さまが不安に思うことは医師に確認をとりながら入院中に返答します。
基本的な退院指導や、患者さまの疑問を聴取することは学生でも可能なので、実際に行ってみてください。

レポートにまとめるポイント

「たくさん学んだけど、何を書いたら良いのか分からない」と悩んでいる学生も多いのではないでしょうか?
一番印象に残っている学びや、最も重要だと感じた学びの内容を、実際の事例を踏まえて記載することで簡単にレポートがまとまります。具体的な内容の例をお伝えしますので、参考にしてみてください。

不安を取り除く看護のエピソードや必要性について

患者さまの不安を具体的な発言とともに記載し、患者さまへの手術の影響を身体的・精神的・社会的な面から考察したことを記載しましょう。
不安を取り除くことは、結果的にどんなメリットがあるのか学びと共にレポートにまとめます。

予測と予防の重要性について

術後合併症予防の視点から離床援助のエピソードや、離床を進めるための疼痛コントロールなど、常に予測しながら援助していく必要性について記載しましょう。
術後の全身管理において、どのような情報から合併症リスクが高いとアセスメントし、予測をして何を観察していたでしょうか。
予測しながら観察とアセスメントをする重要性や麻酔の影響、合併症の観察項目、正常値と異常値についての知識が必要であることについてまとめてみましょう。

周手術期における看護師の役割について

一番身近で患者さまを観察できる看護師が、異常を発見できなかったらどうなるでしょうか。術後の患者さまの苦痛を軽減できないと順調に回復することは難しくなるかもしれません。
異常発見時の医師への報告や連携についてや、周手術期における看護師の役割とは何か考察してレポートを書いてみてください。

以上について、いずれかに焦点を当てて考えながらレポートを書いてみましょう。実習中の事例も合わせることで、学びが分かりやすく記載できると思います!

周手術期看護実習を振り返ってみよう

実際に経験したエピソードや学びをレポートに反映できるように、実習を振り返ってみましょう。

患者さまは不安や心配、疑問を抱えていましたか?

患者さまの発言から不安や疑問を見つけてみてください。解決のために学習したことはありますか?看護師への相談や、説明するときに気をつけたことがあれば、エピソードとしてレポートに盛り込みましょう。
不安や疑問を解決することは、手術を問題なく受けることや、順調な回復、適切な治療のために必要です。

受け持ち患者さまに起こりやすい合併症はありましたか?

年齢や性別、既往歴や術前検査結果、内服薬、手術部位や手術方法、喫煙歴など、患者さまの背景によってリスクの大きい合併症が異なります。
例えば、手術への理解度が乏しいことやご高齢であることが重なると、せん妄リスクを考慮しオリエンテーションの際に身体抑制の同意についてご家族に説明します。

喫煙歴がある方は、呼吸器合併症リスクが上昇したり、創部が治癒しにくかったりします。酸素の使用や喀痰喀出の援助を視野に観察やアセスメントを行うことができます。
患者さまの個別性をふまえて術後合併症を予測し、観察とアセスメントをする重要性についてぜひレポートに書いてみてください。

実習で指摘された!看護過程における「個別性」とは?

予防のために行った看護はありますか?

急性期にある患者さまは、健康状態が次々に変化していくことを体験したかと思います。悪化の可能性を考え、事前に予測しながら観察・アセスメントをすることや予防に努めることが重要です。
予防の看護の例に、肺塞栓予防の弾性ストッキングや間欠的空気加圧装置の使用が挙げられます。早期離床を促すことや体位変換・足首のストレッチを声かけすることも予防の看護です。

他にも、硬膜外麻酔の影響で嘔気や嘔吐があって離床が進まず、食事も摂れない場合がよくあります。吐き気止めの使用や、早めに麻酔を終了して対応します。症状の増強を予防して早期離床を促すための関わりです。
実際の実習で似たような体験はありましたか?実際に体験していなくても、看護師の行っていた予測や予防の看護についての気づきを学びとしてレポートに記載しましょう。

実習レポートの書き方のコツ

評価されやすいレポートを書くためにはいくつかコツがあります。
実習要綱をよく読み、目的や目標が達成できるような内容を心がけてみてください。文献の使用も忘れないよう注意です。以下のページで詳しく説明しているので、ぜひ活用してみてください!
レポートの内容が決まれば、あとは頑張って書くのみです。無事にレポート提出ができるよう応援しています。

実習レポートの書き方のコツ

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