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新卒ではたらく慢性期病院・慢性期病棟の魅力

就活
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就活中の看護学生の中には、時間に追われることなく、じっくり患者さまに向き合える慢性期病院に就職したいと思う方もいるのではないでしょうか。新卒で慢性期病院・慢性期病棟に就職するメリットや、身につくスキルをご紹介します。将来のキャリアについても考えてみましょう。

慢性期病院の特徴と魅力

新卒の就活では急性期病院への就職を勧める人が多い中で、新卒で慢性期病院に就職することに対して不安もありますよね。
慢性期病院は急性期病院とは何が違うのか、具体的な特徴や魅力をお伝えします!就職先の病院を選ぶ際、ぜひ参考にしてみてください。

慢性期病院の特徴

慢性期病院は、病状は安定していて継続的に医療が必要な患者さまが対象です。再発予防や機能維持・向上を目指し、糖尿病や腎臓病、心臓病、脳梗塞、認知症など、病気と共に生きていく患者さまの生活をサポートします。
長期入院の方が多く、病状の経過もゆっくりであるため、患者さま一人ひとりとじっくり向き合えるのが特徴です。

慢性期の看護は、患者さまの背景を理解し、希望や思いを理解して寄り添うことやコミュニケーション能力、変化に気づくための観察力、病態や患者さまの個別性をふまえたアセスメント力が重要になります。個別性を大事にして、日常生活援助やセルフコントロールができるように支援します。
個別性に応じた看護やケアを行いますが、日々決まった業務が多いのも特徴です。

慢性期病院の看護の魅力

急性期看護は患者さまの命に直結する看護場面も多く、輸液やドレーン、呼吸器の管理など多くの検査や処置を覚える必要があり、臨機応変に対応する力が求められます。

一方で慢性期病院は、急性期病院のように刻一刻と病状や処置が変化することがないため、判断や看護技術にスピードを求められる場面は少ないです。そのため、時間をかけて一人ひとり丁寧に看護したい方にとっては魅力的です。

急性期病院と違い、手術や緊急入院、急変対応が少ないため、残業も少なくプライベートとの両立が図れるのも慢性期病院の魅力のひとつです。

急性期と慢性期、看護師の向き不向きは?看護の違いを解説!

新卒で慢性期病院に就職するメリット

慢性期病院に新卒で入職することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

患者さまにじっくり関わることで学びになる

慢性期病院では患者さまの病状が安定しているため、焦らずゆっくり看護業務ができます。
また、アセスメントやコミュニケーションの時間が十分にとれるため、患者さまに丁寧に向き合える環境であることがメリットです。
患者さまから学ぶことは多く、その時間はとても貴重です。基礎を学ぶ新人の大切な時期に、じっくり患者さまと関わることは深い学びとなり、かけがえのない経験になります。

先輩看護師から丁寧な指導を受けられる

急性期病院ほど時間に追われていないため、先輩看護師から丁寧な指導が受けられるメリットもあります。業務時間内に指導を受けられ、残業が少ないことで自己学習の時間も無理なくとれるでしょう。先輩看護師も多忙によるストレスがないことで、心に余裕をもって指導にあたってくれますよ。

教育が充実している慢性期病院の一覧

慢性期病院から始めるキャリア、将来は?

新卒から慢性期病院で働き始めた看護師は、同じ病棟で長く働く傾向にあります。患者さまと向き合って看護を提供することに、やりがいを感じていることが理由として挙げられます。
また、残業が少なくプライベートと両立しやすいため、結婚・妊娠出産・育児など、ライフステージが変わっても辞めることなく継続して仕事ができる環境であることも理由の一つです。

中には急性期看護に挑戦したいと、部署異動を希望する看護師もいます。「慢性期から急性期への異動は大変でしょ?」と心配になるかもしれません。どんな診療科でも、環境が変われば慣れるまでみな等しく大変です。
慢性期から始めたからといって異動の難易度があがることはなく、慢性期で看護の基礎を固めたからこそ急性期でも活躍している看護師がたくさんいます。

慢性期だって学べる!身につくスキル

慢性期病院では外科的な処置や検査の経験は少なくなりますが、看護師にとって必要な基本的能力を確実に身に付けられます。慢性期で磨いた看護の基礎は、どんな部署に行っても活かせる能力です!

それでは、慢性期病院で身につくスキルをご紹介します。

看護の基本となる能力

慢性期は患者さまの生活を総合的に支えることから、個別性の理解・コミュニケーション能力・観察力・アセスメント力が身につきます。患者さまの特徴として、ご高齢であり既往歴や合併症があることが多く、中には言語的コミュニケーションが難しい方もいます。

様々な合併症と関連づけてアセスメントをすることや、バイタルサインの小さな変化にも対応するなど、より繊細な看護技術が必要となります。患者さまの背景や価値観、希望に寄り添って看護を提供する必要があるため、コミュニケーション能力も磨かれます。

一般的な看護技術

看護技術面では、採血・点滴・呼吸器管理・経管栄養・吸引・血糖測定やインシュリン注射など一般的な看護技術は身に付くので安心してください。ただし、急性期と比べると採血や点滴の頻度が少なくなる傾向にあります。

カンファレンスの運営・多職種と連携できる力

患者さまの生活を多方面から支えるため、医師や薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、保育士などの多職種との連携も必須です。
それぞれの職種とのカンファレンスも多く、看護師の立場として必要な情報の提供や連携の架け橋になる必要があります。カンファレンスの運営や多職種連携ができる力は、今後に活きてきます。

転職できる?慢性期病院で身についたスキルを活かせる場所

クリニック、訪問看護、老人ホームなどの施設、デイサービスなど、病院以外にも看護師が活躍できる場所はたくさんあります。

いずれの転職先も、病気と共に生きる患者さまを支える丁寧な看護が求められるため、慢性期病院での経験があると転職にも有利です!
特に訪問看護や施設では、看護師として1人でアセスメントしてケアや処置を行うため、今までの基本的な知識やアセスメントをしっかり行ってきた経験が活かされます。

慢性期病院で磨いた観察力やアセスメント力、患者さまに寄り添った丁寧な対応は、看護師として最も重要です。また、利用者のご家族や介護士との密な連携も重要であるため、多職種連携のスキルも必須です。

自分に合った病院に就職することが大切

「始めは大変なところで経験を積んだ方がいい」とよく耳にしませんか?確かに急性期は様々な処置を行う機会が多く、経験が積めます。しかし、学ぶことの多い新人時代に疲労やストレス、プレッシャーで潰れてしまっては元も子もありません。

あなた自身が慢性期に向いていると思っているのであれば、ぜひ慢性期病院を選択してください。やりたい看護やなりたい看護師像が慢性期にあるなら、新卒だからといって急性期にこだわらなくても大丈夫ですよ。
やりがいを感じる場所で活躍することで、仕事も楽しくなります。基礎さえ固めれば、その後はどんな選択も可能です。
自分の目指す働き方ができる病院を選んでくださいね!

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