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急性期と慢性期、看護師の向き不向きは?看護の違いを解説!

就活
公開日

急性期病棟と慢性期病棟のどちらで働くべきか、迷っている学生もいるのではないでしょうか。
病院や診療科によって、雰囲気や看護師の役割が大きく異なるため、自分に適した環境を知ることは大切です。

この記事では、急性期病棟と慢性期病棟の特徴に加え、向き不向きについても解説します。あなたに向いているのは急性期か慢性期か、一緒に考えてみましょう。

医療機能の向き不向きを知ることの大切さ

自分に合った医療機能を知ることは、看護師としてキャリアを築く上で重要です。

急性期と慢性期では、必要な看護技術や知識、職場の雰囲気、新人指導の内容やスピードが大きく異なります。興味のある診療科や、強みを活かす環境で働くことで、やりがいを感じながら楽しく仕事ができます。

新人看護師は学びの多い時期ですが、自分に合ったスピードで指導があれば、職場環境に早く適応しストレスも少なく成長していけるでしょう。自分自身の特徴と医療機能の適性を理解して、活躍できる職場を選ぶことは大切になります。

急性期病棟に向いている人は?

急性期病棟に向いている人は、患者さまの治療を近くで支えたいと考える人です。

病気になって間もない時期であり治療の優先度が高いため、幅広い専門知識や看護技術、冷静に判断し迅速に行動する力が求められます。急性期病棟の特徴や適性について詳しく解説します。

急性期病棟の看護の特徴

治療の場である急性期病棟では、緊急性の高い処置やケアに対応できる看護師が求められます。

救命救急センター、ICU/HCU、外科系一般病棟などの急性期病棟には、生命維持のために治療が必要な患者さまや手術が必要な患者さまが入院しています。患者さまの治療が円滑に行われるよう看護することが重要です。

具体的な業務内容は、以下になります。

<急性期で働く看護師の業務内容>

  • 全身状態の管理
  • 手術前後の管理
  • 検査の介助
  • 処置の介助
  • 点滴、輸血
  • ドレーン管理

患者さまの病態は変化しやすいため、異変に気付く観察力やアセスメント力に加え、適切に医師へ報告すること、急な医療処置や点滴や内服の指示変更に対応することが求められます。
さまざまな疾患に対する幅広い知識と技術を持ち、適切に判断し素早く行動する力が必要です。

医療的処置が優先され、患者さまの病状が安定すると転棟や退院となることから、ベッドの回転率が高いです。受け持つ患者さまの病状や疾患は毎日異なり、応用力も大切になります。限られた時間で、患者さまの思いや苦痛に寄り添い、安心を与えることがポイントです。

急性期にピッタリ!向いている人の特徴

さまざまな疾患や医療処置の勉強を楽しみながらできる人や、生命の危機にある患者さまが回復することでやりがいを感じる人は急性期に向いています。

急性期病棟で活躍できる人の特徴をお伝えします。

さまざまな看護技術を獲得したい人

急性期では、さまざまな検査や医療処置の経験を積めるため、多くのスキルを身につけたい人には適した環境です。採血や点滴の数は多く、ドレーンや麻酔管理、創傷処置など慢性期病棟では経験できない看護も多くあります。

ただし、毎日多忙であるため、勉強する時間を作ってもらう余裕はないでしょう。勉強の機会を待つのではなく、「今日の〇〇様の処置を見学させてください」と自ら声を上げて、積極的に学びの機会を作る意欲が必要です。

疾患の勉強やアセスメントが好きな人

急な病態変化が多いため、異常の早期発見のために観察とアセスメントが欠かせません。適切に観察とアセスメントをするためには、病態生理に加え、合併症や治療、薬剤についての知識が必要です。

幅広い知識を持ってこそ、常に患者さまの状態を予測しながら全身状態の管理が可能になります。継続的に勉強ができ、知識がつくことに喜びを感じる人は向いています。

多重課題の解決が得意な人

指示変更や検査、処置が多く、緊急入院や手術対応があるため、時間に追われながらも臨機応変に多重課題を解決するスキルが必要になります。

点滴更新、ドレーン処置、術後対応、緊急入院、検査、ICなど、さまざまなことが重なるため、スピードを意識してスケジュール管理することが重要です。
迅速かつ効率的に動くことが得意な人に向いていますが、ゆっくり患者さまとのコミュニケーションを楽しみたい人、1つ1つの看護技術を丁寧に学びたい人には不向きかもしれません。

ストレス管理ができる人

生命に関わる業務が多く、高いスキルを求められる急性期病棟では、多くのストレスを受ける環境であるため、ストレス管理ができる人に向いています。

急性期では以下のような、さまざまなストレスが考えられます。

<急性期病棟で感じやすいストレス>

  • 生命に関わる処置ゆえの緊張感がある
  • 時間に追われるプレッシャーがある
  • 患者さまが亡くなることも多い
  • 勉強すべきことが多い
  • 緊急入院や手術、急変による時間外の指示変更など超勤が多い

時間や精神的に余裕がない環境であることが多いため、メンタルが強くストレスケアが得意な人に向いています。

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慢性期病棟に向いている人は?

慢性期病棟に向いている人は、患者さまの生活全体を支えたいと思う人です。病状が安定し長期的な医療が必要な状態であり、日常生活を支援しながら再発予防や機能の維持・向上を目指す看護が求められます。

慢性期病棟の特徴や適性について詳しく解説します。

慢性期病棟の看護の特徴

生活の場である慢性期病棟では、患者さまとご家族の思いに寄り添いながら個別性を尊重し、日常生活の援助やセルフコントロールの獲得をサポートします。

慢性期病棟には、生活習慣病を始め、循環器疾患、消化器疾患、呼吸器疾患など、複数の疾患を併存している高齢患者さまが多く入院している傾向にあります。患者さまが病気と付き合いながら、その人らしく生きられるように看護することが重要です。

具体的な業務内容は、以下になります。

<慢性期で働く看護師の業務内容>

  • 全身状態の管理
  • 日常生活の援助
  • 喀痰吸引、経管栄養
  • 人工呼吸器管理

高齢や多病の方が多いため、複数の疾患と症状の知識が必要であり、全身状態の観察と合併症予防の看護が求められます。入院期間が長期であるため病院が生活の場となり、治療に加えて日常生活の援助も重要です。

筋ジストロフィーや重症心身障害児者の方が入院している病棟であれば、特に日常生活援助が中心になります。オムツ交換や体位交換、清潔ケア、移乗介助を毎日行うため、介護度が高いと体に負担がかかります。

人工呼吸器や経管栄養を必要としている患者さまもいるため、人工呼吸器管理や口腔ケア、喀痰吸引、経管栄養の管理の技術が必要です。

慢性期にピッタリ!向いている人の特徴

コミュニケーションが好きな人や、自分のペースで働きたい人、長期的に患者さまをサポートしたい人は慢性期に向いています。慢性期病棟で活躍できる人の特徴をお伝えします。

患者さま一人ひとりに対しゆっくり丁寧に看護したい

患者さまの病状が安定しており急な対応が少ないことから、焦らずゆっくり業務ができます。アセスメントや看護計画の評価、患者さまとのコミュニケーションの時間が十分にとれるため、患者さま一人ひとりに丁寧に向き合いたい人に適しています。

患者さまの生活全体を近くで支えられるため、季節のイベントや入学式、卒業式、還暦祝いなどの行事の参加、生活で使用する物品管理もご家族や多職種と協力し行います。個別性を重視して、長期的にじっくり患者さまと関わりたい人におすすめです。

ワークライフバランスを大切にしている

残業が少ないため、子育て中の人やプライベートを楽しみたい人におすすめです。定時に退勤できる理由は、患者さまの病状が安定しており急な処置や手術対応、緊急入院がないためです。日常生活援助は、ケアの時間がおおよそ決まっていることから、毎日の業務がルーチン化します。

しかし、業務時間外にケアをすることもなく、看護記録の時間を確保できるため、ワークライフバランスを重視したい人に向いています。

自分のペースで成長したい

時間が確保しやすいことから、業務時間内に先輩看護師から指導が受けられたり、自己学習ができたり、勉強会が多い特徴があります。学習環境が整っているため、勉強に時間をかけたい人やゆっくり丁寧な指導を受けたい人におすすめです。

残業が少ないため、自宅での学習時間も無理なくとれるでしょう。先輩看護師も時間に追われるストレスがないことで、心に余裕をもって指導にあたってくれます。

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あなたは急性期と慢性期のどちらのタイプ?

急性期病棟に向いているのは、多くの看護技術や知識を獲得し、冷静な判断と迅速な対応で患者さまの治療を支えたい人です。

一方、慢性期病院に向いているのは、コミュニケーションを大切にし、日常生活援助を通して患者さまの生活全体を支えたい人です。

急性期と慢性期の適性をふまえて、理想の看護師像や、興味のある分野、自分が活躍できる環境について考えてみましょう。
下記のページでは、急性期と慢性期のそれぞれの病院を紹介しています。あなたに合った病院を見つけるために、ぜひ参考にしてみてください。やりがいを感じる職場で楽しく看護を学びましょう。

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