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被災地を救う!災害拠点病院で働く看護師 ~佐々総合病院の救急・災害部の活動~

就活
公開日

災害拠点病院「佐々総合病院」で働く看護師の活躍をご紹介します。救急災害部に所属しながらDMATとしても活動している看護師のインタビューを通して、能登半島地震での活動や、救急・災害部についてお届けします。

能登半島地震でのDMAT派遣について

能登へは発災1週間後の2024/1/9~1/11までと、2024/1/27~1/30までの2回に分けて2チームが派遣されました。それぞれ施設や避難所を巡回して、診察や医療ニーズの洗い出しを行いました。

![当院のDMATチーム

看護師として、どのような思いで活動を行いましたか?

私自身初めての派遣だったので、自分に何が出来るのか不安な気持ちも大きかったですが、看護師として少しでも被災者の皆さんの助けになりたいという一心で活動を行いました。

DMATで働く看護師の様子1

病院と違って直接治療することはなかったですが、避難所の方たちの体調について相談に乗ったりしました。糖尿病の方が、避難所の食生活で血糖値の心配をしていたので、持参したキットで血糖値を測定し、正常値だったことで安心してもらうことができました。

現場の様子について教えてください

道路や水道などがまだ回復していない時期だったので、昨日通れた道が今日は崖崩れで通れなくなっていたり、道路の亀裂がところどころにあったり、道の真ん中に落石があったりと何度も怖い思いをしました。

DMATで働く看護師の様子2

全国から派遣されているさまざまなチームが、毎日、朝と夕方のミーティングで情報共有を行い協力し合って支援することができました。

被災地の様子

2020年に発足した救急・災害部について

佐々総合病院はこれまでも急性期の治療を必要とする患者さんに対して、診療科を超えて対応できる救急科という部門で診療を行ってきました。

救急・災害部

西東京市や北多摩北部地域の救急医療を担うため、2020年に救急と災害を一部門にした部署として「災害・救急部」が設立されました。

災害での活動実績を教えてください

2016年の熊本地震や、2020年のダイヤモンドプリンセス号で新型コロナ感染症の患者搬送を行いました。
2024年元旦に起きた能登半島地震では、当院のDMAT隊が支援活動を行っています。

周辺地域が被災した際に行う災害拠点病院の活動内容

看護師やDMATはどのような活動をするのでしょうか?

災害訓練の様子1

災害拠点病院の看護師の役割は、大きく分けると2つあります。
一つは病院機能の維持、もう一つは災害患者の受け入れです。具体的には、一つ目が各病棟での入院患者の看護になります。もう一つが災害患者のトリアージや重症度の高い患者さんの治療補助、病棟での入院受け入れです。

被災地域のDMATの役割は、主に支援にきてくれた隊員と本部との橋渡しになります。自分たちの病院機能の維持が、周辺の医療を支えることに繋がると考えています。

災害訓練や研修ではどのようなことを行いますか?

災害訓練の様子2

実際に災害が起きたことを想定して、年に2回、各部署の初動訓練や患者受け入れ訓練、トリアージの訓練など毎回目的を変えて行っています。

実際に訓練をする前に、その時の訓練内容に沿った勉強会を行うほか、一年を通して災害拠点病院の役割や初動、トリアージ、記録などについての研修を計画・実施しています。

災害支援への看護師の心構え

災害支援への思いや、日ごろの心構えを教えてください

DMATで働く看護師

突然の災害によって生活基盤を失った方々に対して、一日でも早く元の生活に近づけるよう自分にできることをしたいと思い、災害医療に携わっています。

看護師として医療に関する知識を日々アップデートすることはもちろん、一個人として信頼される人間になろうと心掛けています。
出動要請がいつ来ても対応できるよう、地震や豪雨などの情報は日頃から気にかけています。

災害支援でやりがいを感じることは?

実際に現地に行くのは数日間ですが、災害支援はすぐに結果が出るものではないので、なかなか達成感を得るのは難しいです。

長い年月がかかる「復興」の最初の一歩を災害支援が担っているという想いは、モチベーションに繋がっています。

災害支援に向いている人の特徴

どのような人が向いていますか?

災害支援に必要な素質は、まずコミュニケーションがとれること が大切だと思います。そして人間として一人前であること。
数日間の派遣とはいえ、緊張状態が続くので身体的にも精神的にもタフだと良いですね。

どのような人と一緒に災害支援をしたいですか?

職種を超えて協力し合える人と一緒に活動したいです。
被災地では、医師や看護師が自分の分野のことしか行わなければ効果的な支援にはなりません。 車の運転も食事の支度も、支援活動中はチーム全員で役割を分担し、協力し合うことが欠かせないです。

災害時に活躍したい看護学生へ

災害医療が注目されていることを感じるこの頃ですが、後進の育成にも繋がるとしたらとても嬉しいと思っています。

救急・災害部で働くスタッフ

災害支援に興味がある学生の皆さん、まずは目の前の一人ひとりの患者さんと向き合って一人前の看護師になることを心掛けてください。
DMAT以外にも災害支援ナースやMAT、JMATなど、さまざまな支援チームがあるので、一緒にに災害医療を支える仲間になってもらえると心強いです。

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