「チーム全員で育てる」カンガルー方式の新人教育
平塚市民病院の新人教育の大きな特徴は、固定チームナーシングを基盤にした「カンガルー方式」です。従来のように一人の先輩が指導するプリセプター制度ではなく、同じチームに所属する複数の先輩看護師が日ごとに関わりながら育成を行います。
例えば、今日は2年目の先輩、明日は10年目の先輩といったように、日々異なる先輩と関わりながら業務を行います。その中で、同じ場面に対しても先輩ごとに異なるアプローチや考え方に触れることができ、視野を広げながら看護を学べる点が特徴です。チーム全体で新人の状況を把握しているため、どの先輩に聞いても状況を理解してもらえるという安心感があります。実際に新人看護師からも「いろんな先輩の考え方が学べてよかった」といった声があり、継続されている教育体制です。
カンガルー方式の段階
カンガルー方式は、成長段階に応じて第1期〜第3期に分かれています。無理に進ませるのではなく、「できるようになってから次へ進む」仕組みのため、自分のペースで確実に成長していくことができます。
■第1期(4月〜6月頃)
先輩とマンツーマンで行動し、看護技術や業務の流れを基礎から学びます。
■第2期(7月〜9月)
先輩から少しずつ離れ、リーダーへの報告や判断を任されるようになります。
■第3期(10月以降)
夜勤を含めた独り立ちを目指し、自分で考え、行動する力を養います。
「できるようになった」が実感できる3つのサポートツール
新人の成長を支えるために、日々の実践を振り返りながら力を伸ばせる3つのツールを活用しています。これらの仕組みにより、「できるようになった実感」を積み重ねながら成長できる点が大きな特徴です。
学び気づきシート
その日の看護の中で「何ができたか」「なぜできたか」「今後どうするか」を毎日記録します。先輩からコメントが返されるため、自分では気づかなかった視点を得ることができ、思考の整理と次の行動につなげることができます。
一年目達成シート
看護技術の習得状況を一覧で把握できるシートです。3か月ごとに振り返りを行い、自分の進捗を把握します。「何ができていて、何ができていないのか」が明確になるため、目標を持って成長できる点が特徴です。
社会人基礎力確認シート
「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」などを毎月評価し、面談で振り返りを行います。単に技術だけでなく、「報告できるようになった」「自分で考えて動けた」といった成長も言語化されるため、自信につながります。
現場で必要な力を身につける集合研修
技術研修
入職後はすぐに現場へ配属されるのではなく、約1週間のオリエンテーションと技術研修を通して基礎を身につけてから配属されます。看護技術だけでなく、「現場でどう考え、どう動くか」を重視したプログラムが特徴です。フィジカルアセスメントや急変時対応では、集中ケアや救急領域の認定看護師が指導に関わり、実践に即した内容で学ぶことができます。学校で学んだ知識を実際にどう使うかまで落とし込めるため、配属後の不安軽減につながります。
技術研修
フィジカルアセスメント研修(基礎Ⅱ)
実践力を高める多重課題研修
中でも特徴的なのが多重課題研修です。専用の研修施設で、実際の病棟に近い環境を再現して行われます。患者さまからの呼び出し、機器のアラーム、処置対応などが同時に発生する場面が設定され、その中で「何を優先するか」「どう対応するか」を自ら判断します。
研修はすべて動画で記録され、終了後に振り返りを行います。自分では気づかなかった思考や行動の特徴を客観的に理解できます。実際の現場に近い環境で「判断する経験」を積んでから配属されるため、不安を減らした状態で現場に入ることができます。
採血研修
一人で抱え込まないためのフォロー体制
新人が安心して働き続けられるよう、メンタル面のサポートにも力を入れています。3か月ごとに「心と体のチェックシート」を実施し、教育担当者と部署が連携して状態を把握します。「少し元気がない」「休みが増えた」などの変化があれば、早期にフォローできる体制を整えています。
カンガルー方式により複数の先輩が関わることで、「この人にしか相談できない」という状況にならず、自然に相談できる環境がつくられています。
あなたのキャリアアップをお手伝い
『認定看護師』資格支援します!
高い質の看護を実践するために必要不可欠なのが、人材育成です。認定看護師研修中は出張扱いとなり研修先への交通費も支給されます。現在、平塚市民病院には認定看護管理者1名、専門看護師2名、15分野にわたる計22名の認定看護師、特定行為研修修了者14名が活躍しています。
◆専門看護師~2分野~
リエゾン精神看護、家族支援
◆認定看護師~15分野~
感染管理、集中ケア、皮膚・排泄ケア、緩和ケア、新生児集中ケア、糖尿病看護、透析看護、救急看護、摂食・嚥下障害看護、慢性心不全看護、小児プライマリケア、乳がん看護、認知症看護、クリティカルケア、手術看護
看護師特定行為研修機関に指定されました
2023年8月31日付で、厚生労働省から新たに「看護師の特定行為研修を行う指定研修機関」として指定されました。研修機関として次の6つの特定行為区分について指定を受け、「救急領域」の領域別パッケージ研修についても認定されました。
◆6つの特定区分研修機関
呼吸器(気道確保に係るもの)関連、呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連、栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連、動脈血液ガス分析関連、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連、精神及び神経症状に係る薬剤投与関連
新人研修風景&新人看護師インタビュー
実際の新人研修の様子と新人看護師のリアルな声をお届けします♪研修を終えた新人看護師3人のインタビューは必見です!