大和会は「その人らしさを支える看護」を理念に、患者さま一人ひとりの個性を大切にし、心を通わせることができる看護師の育成を目指しています。
新人研修年間スケジュール【4月~9月】

【4月】オリエンテーション・基礎看護技術研修

入職式を終えた翌日から集合研修が始まります。入職2・3日目に多職種研修を実施し、院内ルールや接遇、医療安全や感染対策など、一職員として守るべきことを伝えています。その他にも、グループで院内を知ることを目的としたオリエンテーリング、1年後の「私たちの目指す姿」をテーマにグループワークを行い、目標をもって行動できるように取り組んでいます。
その後、看護師を対象とした2週間の基礎技術研修で、新人として必要な知識と技術を習得できるように、講義や手技の確認を行います。教育委員、プリセプターが中心となって丁寧に指導しています。
◆Point.1◆
多職種研修の一番の目的は、コミュニケーションをとり、同期の絆を深めることです。多職種との連携を意識した研修内容となっています!

【5月】看護必要度研修・身体拘束体験研修
私たちが日々看護を提供していく上で看護必要度※は重要な指標となるため、「看護必要度とは何か?なぜ必要なのか?」を理解し、適切な評価ができるように講義しています。
身体拘束体験研修では、事前に講義で身体拘束へのイメージを共有した後に、実際に身体拘束を体験し、身体的・精神的な苦痛が患者さまにどのような影響があるかを考えていきます。
※看護必要度:入院患者に必要とされる看護の業務量を推定するための尺度のことで、看護必要度の評価によって患者さまの重症度と看護師の業務量が分かります。
◆Point.2◆
5月には外部施設でリフレッシュ研修を行っています。大和会の同期の仲間が集合して、お互いに励まし合い、パワーを補っています!
【6月】在宅を見据えた入院時の情報収集の仕方、看護補助者に関する研修

入院時から在宅を見据えた関わりが持てるように、新人から3年目まで在宅への視点を強化しています。新人研修では入院時の問診票から退院支援していく上で、「重要なものはなにか?その情報をどのように活かすか?」をグループワークで共有していきます。グループワークの時間を多く設けて、自身の考えを発言し、思考を整理することで、相手に伝える力を身につけることを意識しています。
【7月】褥瘡・排尿ケアについて(診療計画書の書き方)

皮膚排泄ケア認定看護師・褥瘡対策委員が活動している内容や、院内で行っている褥瘡対策におけるリスクアセスメントの方法について説明しています。実際に活用している計画書を見ながら入力方法を確認し、みんなが同じ評価をできるように、スケールについて丁寧に教えています。
排泄ケアチームの活動に排泄ケア回診があり、回診までに病棟で行う評価について講義を受けることで、対象となる患者さまに適切なケアを行えるようにしています。
講義後は事例を用いてスケールの採点や計画書の入力を行い、分からない点を一緒に確認した後、自部署で先輩たちと一緒に入力できるように進めています。
【8月】チーム医療について(多職種研修)

4月の多職種研修のメンバーが集まり、チーム医療についてグループワークを行います。「他部署・他職種とどんな場面で関わったか?その時に困ったことはあったか?」「チーム医療に必要なことは何か?」についてそれぞれ話し合ったことをグループ毎に発表しています。多職種で行うことで、たくさんの意見が飛び交い、多方面から考えることができる時間となっています。
◆Point.3◆
久しぶりに同期の仲間と集まり、みんなで楽しく話しています♪それぞれの頑張りを認め合う時間でもあり、「みんなが頑張っているから私も頑張ろう!」と前向きになれる機会となっています。
【9月】糖尿病合併症・血糖値の考え方

糖尿病看護認定看護師が糖尿病に関する基本的なことや合併症、治療の目標について、参加メンバーと一緒に考えながら講義しています。実際に病棟であった困ったケースを例に挙げてもらい、みんなでどうしたら良いかを考え、答え合わせして糖尿病について理解を深めています。
新人研修年間スケジュール【10月~3月】
【10月】医療器具、使用器材の適切な取扱い

入職から6ヶ月が経過し、病棟に配属して業務に携わったところで、感染管理の基本を振り返っています。感染管理認定看護師の講義で、実際の看護業務場面から清潔・不潔について学びを深めることができます。「自身が使用しているワゴンの状態はどうか?」「ゴミの分別はどのようにしているか?」「標準予防策は適切に行えているか?」など、間違った方法の写真を見ながら、適切な対処法を学び直しています。
【11月】褥瘡の予防対策

皮膚排泄ケア認定看護師・褥瘡対策委員よる講義で、褥瘡ケアの基礎・予防対策・褥瘡評価について学ぶことができます。褥瘡発生のメカニズム、好発部位などの基本的なことから、院内での発生率まで詳しく教えています。おむつ交換や排泄介助、更衣介助、移乗介助などの看護援助から必要な情報を得るための観察方法を知ることができ、実際のケアで活用しています。症例の写真を見ながら行うので、イメージしやすい研修となっています。
【12月】プロセスレコードグループワーク
プロセスレコードの発表に向けて、9月から準備を進めています。一人ひとりが1場面を展開したプロセスレコードを持ち寄り、看護師役・患者役・観察役にてロールプレイを実施し、みんなで考察していきます。自身の考えだけでなく、他の人の意見を聞くことで、患者さま・ご家族の心理状況や行動の意味を考え、適切に対応できるコミュニケーション技術を学ぶことができます。ここで学んだことをさらに深めることで、自身の関わりについてより良い振り返りができます。
【1月】看護場面から考える倫理ジレンマ

事例をもとに日常の看護場面での倫理的問題についてグループワークを通して考えています。1場面を挙げて「何が倫理的に問題と思ったのか?」「どうなったら良いと思うのか?」「自身ができることは何か?」を考え、それぞれの思いを発表し、みんなで考えていきます。
◆Point.4◆
病棟の中で「あれ?」と疑問に思うことはとても大事です。業務優先ではなく、患者さまファーストになれるように、チームの一員として発信できることを考える機会でもあります。
【2月】緩和ケアについて・リスクについて当院統計
緩和ケア認定看護師による講義を通して、緩和ケアとは何かを理解し、患者さま・ご家族との向き合い方について学びます。身体や心などのさまざまな辛さを和らげ、より豊かな人生を送ることができるように支える緩和ケアですが、時に患者さまとどう接したら良いのかと悩むことがあります。そんなときの対応策もじっくり教えています。
リスクについては、当院の統計からどんなインシデント・アクシデントが多くあるのかを知ることで、自身の対策を考えることができます。
【3月】多職種研修(1年間の振り返り)

4月・8月の多職種研修のメンバーと1年間を振り返ります。4月の研修で行った、1年後の「私たちの目指す姿」をテーマにグループワークを行います。どんな1年間だったか、2年目に向けて頑張ること、取り組むことを話し合い、次年度の課題を整理できる場となっています。
◆Point.5◆
苦労話やできるようになって嬉しかったこと、患者さま・ご家族と接して感動したことなど、たくさんの話が飛び交い、とても活気があります!新人の成長がよく分かり、先輩としての顔が見えて誇らしく感じられる瞬間です。
プリセプター制度
先輩看護師が、新人看護師一人ひとりにつき、現場での指導や相談役となり、一定期間マンツーマンの指導を行う教育です。貴重な経験を元に知識や技術を教えるほか、精神面でも支えにもなることにより、安心して仕事に取り組める環境をつくり、成長をサポートします。
キャリアアップをサポート

看護師に求められる看護実践能力を育成する「クリニカルラダー(看護実践能力開発プログラム)」に沿って、段階に分けて学びます。ラダーI~III段階に分かれている“ラダーステップ”で、それぞれのレベルにあった臨床実践や能力開発のプログラムを学びます。研修を最大限に活用し、自己研鑽、自己啓発を積み重ねながら自ら進んで学習し、目指す看護師にステップアップしましょう。

2年目以降の取り組み
2年目以降は倫理を重視したケーススタディーに取り組み、自分なりの優しさを実践できる看護師を目指しています。院内で月に1回開催している集団研修をはじめ、各部署独自の勉強会などで看護のスキルアップを図っています。
認定看護師・資格取得のバックアップ

豊富な知識と、熟練した看護技術を持ったプロフェッショナル
看護の専門性を高めるため、認定看護師や専門看護師、呼吸療法士、糖尿病療養指導士、CLSやBLSなどのスペシャリストの育成に取り組んでいます。スペシャリストの活躍を支援するために、技術や経験に偏りがないよう、感性豊かな看護師を育むことも忘れていません。
認定看護師資格取得までの流れ
認定看護師になるには、看護師として5年以上の実務経験(うち3年は認定分野)が必要条件の、認定看護師教育課程(約6ヶ月間)を受講し、毎年5月の認定試験に合格する必要があります。
また、資格取得支援を受けるためには、最低でも3年以上の就業実績と看護部長の推薦が必要です。理事会にて審議され、承認されると認定看護師取得支援が受けられます。