JCHO千葉病院の先輩インタビュー
1.認定看護師(特定行為)を取得しようと思ったきっかけは?

【感染管理認定看護師/特定行為研修終了者】斉藤 博子
院内感染から患者さんや病院内の全ての人を守りたいと思い、認定看護師を目指しました。資格取得後は、感染管理認定看護師としてICT(感染対策チーム)で活動しています。ICTでは院内ラウンドを行い、手指衛生や感染対策の確認、療養環境の整備やスタッフ教育に取り組んでいます。
特定行為研修を受講しようと思ったきっかけは?
感染管理認定看護師として活動している中で、さらに知識を深め活動に役立てたいと思い受講しました。
特定行為研修の受講は大変でしたか?
JCHO病院は特定行為の研修実施病院なので、私の場合は、働きながら放送大学の授業と病院の医師からの講義を受講し、その後に病院で実習を行いました。感染管理認定看護師の業務と並行して、症例レポートを作成しなければならず、計画通りに進まなかった事が大変でした。
今後の看護師像
学んだことを活かし活動することにより、患者さんや病院スタッフのお役に立てればと思っています。
2.認定看護師(特定行為)を取得しようと思ったきっかけは?

【糖尿病看護認定看護師・特定行為研修終了者】滝 幸恵
きっかけは“フットケア”でした。当院は糖尿病足病変を抱える患者さまが多く、下肢切断に至るケースも少なくありません。上司から「フットケア研修に行ってみない?看護の力で足を守れるよ。」と言われ、受講した研修で“糖尿病看護”の重要性と魅力を感じ、糖尿病看護認定看護師資格を得ました。
特定行為研修を受講しようと思ったきっかけは?
当院では常勤の糖尿病専門医がおらず、タイムリーなインスリン調整・血糖コントロールが難しい状況があります。自分自身のこれまでの経験や知識をブラッシュアップし、患者様に還元することが私の役目であると考え「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」の特定行為研修を受講しました。
認定看護師取得(特定行為)のメリットは?
糖尿病は看護の力を色々な場面で発揮できる分野です。病気を知るのではなく、患者様全体を知る力が求められます。患者様が療養を続ける中で抱える不安や悩みを一緒に考えること、患者様が療養生活で実行可能なレベルが何かを導くこと、時に厳しい言葉をお伝えすることもありますが、患者様の力を信じて支援をおこなっています。糖尿病は数値に一喜一憂してしまうことが多い疾患ですが、事象に捕らわれず、原因と課題を患者様と共に導く時間を大事にできるのは糖尿病看護認定看護師だからできることだと思います。
認定看護師取得(特定行為)にあたって大変でしたか?
私は元々外科系病棟の経験しかなかったこともあり、糖尿病に対する知識や経験が乏しかったので認定過程入学時は同期とのレベルの差が歴然でした。認定過程での講義は何もかもが新鮮で楽しく、実習では看護力の乏しさに不甲斐なさを感じ、同期とたくさん泣きましたがこれも良い思い出です。入学から認定試験日まで全国から集まった糖尿病看護好きな同期に支えられ、たくさんの学びを得ることができたと思います。今でも同期とは情報交換を頻回にしており、とても大切な存在です。
今後の看護師像
糖尿病と共に生きることはとても大変なことです。糖尿病患者様がいつも笑顔で療養生活を送るために必要な存在であること、一番の理解者であることが、私の糖尿病看護認定看護師としての使命であると考えます。また院内だけではなく地域に糖尿病看護が好きな仲間を増やし、地域全体で糖尿病患者様を支えていきたいと思います。
3.診療看護師(特定行為)を取得しようと思ったきっかけは?

【大学院修士課程 特定行為看護師養成分野終了/2013年4月から診療看護師として活動中 】 高田 美由紀
臨床現場では、看護師は常に検査データや患者の症状から患者の病状をアセスメントしています。また、従来の法律の下では医療における看護師の自律性は低く、必要な検査や薬剤が分かっていても医師の判断と指示を待つしかない状況が多い現状がありました。そこで、看護の視点に医学的視点を統合させて患者のニーズに早く的確に対応したいと考え大学院に進学し、2013年4月より診療看護師という名称で活動しています。
診療看護師取得(特定行為)のメリットは?
大学院では医学教育を中心に教育プログラムが組まれています。単に医療行為を学ぶのではなく、その根拠を考える力を身につけることができます。2年間でバイタルサインやレントゲン、血液検査等の客観的データの読み方や、必要な検査オーダーなどを学ぶことができました。診療看護師になってからは急変時の対応や、カテーテル挿入等、さまざまな特定行為を実施しています。看護師の立場では考えもしなかったことを多く学ぶことができ、今では医師の立場を理解しながらさまざまな提案もできるようになったと感じています。
診療看護師取得(特定行為)するにあたって大変でしたか?
仕事と学業の両立は本当に大変でした。月曜日から水曜日までは職場で働き、木曜日から土曜日は21時過ぎまで授業を受けて帰りの電車で勉強し、日曜日は課題をこなす、本当につらい日々でした。しかし、志を同じくする仲間と出会え、病院で働いているだけでは得られない人間関係や人脈を築くこともできました。社会人になると仕事に直接関わる知識やスキルは身についていきますが、それ以外の情報に触れる機会が極端に減っていきます。生涯学習の心を持ち、より視野を広げて新たな視点を獲得するためにいろいろな分野に興味を持ち、チャレンジする看護師が増えてほしいです。
今後の看護師像
特定行為を行うだけが診療看護師の役割ではなく、あらゆる現場でのチーム医療のキーパーソンとなることが私の役割であると考えています。医療の世界は日進月歩で、新たな発見や技術革新が行われています。看護師も常に新しい知識を学びながら変化に対応していかなければなりません。いつまでも向上心を忘れない看護師が一人でも多く育っていくことを願いながら、看護師のキャリアアップにつながる診療看護師を目指していきたいと思います。
4.特定行為看護師(診療看護師)を取得しようと思ったきっかけは?

【大学院修士課程 看護学領域臓器移植コーディネート分野終了/大学院修士課程 特定行為看護師養成分野修学中】橋詰 亮
これまで臓器移植医療に携わり、大学院で臓器移植コーディネート分野の修士課程を修了しました。現在は腎移植後の患者さんのケアをしています。腎移植後の患者さんは、腎臓病だけでなく糖尿病や心臓病などの合併や免疫抑制薬を内服していることによる易感染状態であり、看護の知識だけでなく医学的知識を必要とすることがあります。患者さんの病態を理解し看護の質を高めたいと思い、再度大学院へ進学しました。
修学中は大変でしたか?
働きながら進学したので仕事と学業の両立が必要でした。勉強する時間、研究する時間、実習する時間など、時間を工面するのが大変でした。また他にも金銭的な負担、家族の協力、いろいろと乗り越えていく必要がありますが、先生方や同期、家族や職場の仲間に支えられています。
今後の看護師像
特定行為看護師養成分野で学んでいる「医学的知識」と、これまで経験してきた看護師・移植コーディネーターとしての「看護・コーディネーション」を結び、臨床実践能力の高い看護師として活動していきたいです。そして院内の包括的な活動だけでなく、地域医療を支える一員になりたいと考えています。