新人看護師教育体制

新人教育の考え方
看護は人の生命に深くかかわる職業であり、生命・人格・人権を尊重し、生涯にわたって研鑽するべきものです。看護実践の基礎を形成するために新人看護職員教育を重視し、職員全体が新人看護師に関心を持って支援して、共に成長することを目指しています。
プリセプターシップ
新人看護師にはプリセプターがマンツーマンで技術指導とメンタルサポートを行っています。部署全体で新人看護師を教育・支援し、看護部教育委員会が入職時研修や集合研修を企画・運営しています。教育担当副看護部長が全体を統括しています。
【プリセプター(実地指導者)の条件】
①卒後3年目から5年目の看護師であること
②プリセプターの事前演習を受講していること
③リーダー業務が実践できること
④看護過程の展開ができ、看護技術の実践・指導が行えること
⑤新人の不安や悩みを自己の体験とつなげて受け止めることができる感受性をもっていること
入職時研修
入職から2日間は他部門の新採用者と一緒に病院全体の研修があります。その後、5日間は看護部教育委員会による基本的な看護技術やグループワーク、講義などの集合研修を行い、徐々に現場で働く心構えができるようにサポートしています。
プリセプティ(新人看護師)フォローアップ研修
グループワークで悩み、不安、学び、喜びなど、さまざまな気持ちを出し合い、振り返りを行うことで看護実践に活かすことを目的としています。5月はストレスマネジメント、10月は半年の振り返り、3月は1年間の振り返りのフォローアップを実施しています。
キャリアラダー
看護部教育では、個人が主体的・自立的に能力開発できるようにキャリアラダー制を導入しています。卒後10年目までをレベルⅠ~Ⅳに設定し、確実な看護実践能力を持つ看護師の育成を行っています。その後、スーパーナース、スペシャリスト、看護管理者というキャリアを設定し、個人の特性に応じた能力開発を支援しています。生涯教育を通して各自のキャリアパス実現を目指し、人材育成に取り組んでいます。
クリニカルラダー
クリニカルラダーは臨床実践能力の基準を示しており、個々の課題を明確化しています。各ラダーの到達目標を目指して自己研鑽し、質の高い看護を提供することで、やりがいを感じることを目的としています。
【レベルⅠ】(卒後1年目)
目標:教育・指導を受けながら日常の看護実践ができる
・看護師として初めて患者さまに看護ケアを実践する時期
・指導を受けながら、看護基準・手順に沿って看護技術を実践する時期
・組織の一員として専門職業人としての自覚と責任ある行動を学ぶ時期
【レベルⅡ】(卒後2~3年目)
目標:日常の看護実践が自立してできる
・判断を要することには指導を必要とする時期
・患者さまの個別性に合わせた看護が実践できる時期
・チームメンバーの役割が発揮できる時期
【レベルⅢ】(卒後4~5年目)
目標:リーダーシップが発揮できる
・アセスメントを高める潜在している問題を明確にできる
・プリセプターとしての役割が発揮できる
・院内看護研究に取り組むことができる
【レベルⅣ】(卒後6年目以上)
目標:役割モデルとして行動できる
・状況判断ができ行動できる時期
・管理的側面について理解し実践できる
・キャリア開発に向けて自己決定できる時期